Drリポート203

ふれあい毎日連載

口の中にできる「癌」(がん)のこと2

日本大学松戸歯学部

有病者歯科検査医学講座 教授

福本 雅彦先生

福本 雅彦先生

このDr.リポートでも何度か取り上げているように、お口の中にもがんはできます。「口腔がん」はできる部位や大きさにもよりますが、治療により治ったとしても、話しにくい、飲食がしにくい、顔貌が大きく変わってしまうなどQOLを著しく低下させます。

今回は、「口腔がん」をできるだけ早期に見つけるためのチェックポイントをお話しさせていただきます。

早期発見のために

「口腔がん」は舌の側縁・下面、歯肉、頬に出来やすく、その多くは粘膜表面に姿を現します。一度、鏡でお口の中をご覧になってみてください。舌、歯肉、頬をはじめお口の中はご自分の目で見ることができますよね。

ということは「口腔がん」は直接自分で見ることのできる場所に発症することが多い「がん」なのです。さらに「口腔がん」は癌になる前段階を経てから癌化する可能性が非常に高い病気なのです。つまり「口腔がん」はがんになりそうな段階もしくは早期がんの段階で、ご自分の目で発見することが可能なのです。

「口腔がん」を早期に見つけるためのチェックポイントをいくつか挙げてみます。このポイントを参考にして日ごろからよくお口の中を観察してみてください。

お口の中を観察する際のチェックポイント

まず、少し大きな鏡と懐中電灯などを用いてお口の周囲を明るくします。つぎに舌を前に出したり、口唇や頬をめくったり引っ張ったりして、お口の中を隅々までよく見てください。さらにそれらの部位を指で触ってみてください。そして粘膜の色(白い、紅い)、表面の状態(ザラザラしてないか、凸凹してないか、潰瘍はないか)、硬さ(硬い、ブヨブヨしてないか)などよく観察してください。

【口の中のがんの早期発見のため】

・2週間以上続く口内炎や潰瘍はないか。

・痛みもない腫れが1か月以上続いていないか。

・口の中に白い斑点や紅い斑点は無いか。

・コリコリした、しこりはないか。

・入れ歯が当たってできた傷が治らない、そのせいで入れ歯が戻らないことはないか。

・舌が動かしにくいことはないか。

・唇のしびれが続いていないか。

上記のポイントが1つでもある場合、もしくは日頃とは違う粘膜の変化が続くようなときは、速やかに歯科へ受診することをお勧めいたします。

口腔がんの検査

口腔がんを疑った場合はまずその異常が良性か悪性(がん)か調べる検査をします。がんの検査と聞くと何種類もの検査を受けたり、病気の一部を外科的に切り取って調べるなど少し怖いイメージがあると思います。

しかし、口腔がんの検査の多くは最初に問診・視診・触診を行い、必要に応じて歯間ブラシのような小さいブラシで粘膜表面を軽くこすって細胞を取り顕微鏡で観察して良・悪の判定を行います。これらの検査に時間はあまりからず、痛みなどの苦痛もほぼありません。

日頃よりお口の中をよく観察していただき、異常なところを見つけたら積極的に歯科医師に相談して検査を受けてください。

■日本大学松戸歯学部庶務課☎047・360・9567。

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