イタリア語で一歩一歩を意味する「Passo a Passo」(以下Passo)。これは、中学高校の吹奏楽部で一緒だったPassoの藏持智明(くらもちともあき)さんと柗井拓野(まついたくや)さんが大学生になった2013年12月に2人で活動した最初のコンサートの1曲目に演奏した曲のタイトルで、彼らの恩師である田嶋勉先生が作曲した曲です。
トランペットとサックスのプロユニットとして始まった2人の活動は今年で10周年!先月、柏市民文化会館大ホールでの記念コンサートも大盛況で終わり、彼らはまた新たな10年に向けて歩み始めました。コンサートではこんなにも周りの人に支えられていたのかということを痛いほど実感し、本当に感謝の気持ちでいっぱいだったと言います。それと同時に、何のために音楽をやっているのか?ということが明確になったと。僕らの音楽を聞いて少しでも豊かな気持ちになったりポジティブになったり、人生にちょっと良いことが起きるきっかけになったり、そんな音楽を届けていくのが使命だとも感じているそうです。そして2人にはそんな力があると感じました。
彼らのコンサートは親子何世代でも楽しめるファミリーエンターテインメントであるし、客層に合わせた選曲や合間に入るトークも面白く、良い意味で敷居が低いクラシックコンサートとも言えるのです。だからこそいろんな世代の色々な人に響く…。それがPassoの強みでもあります。あえて大きな野望や夢を掲げることはない、と藏持さん。もちろん多くの人に聞いてもらえたら嬉しいけど、まずは自分たちの周りにいる人、特にバンド活動をするときのメンバー全員が音楽1本で生活でき、楽しくみんなで音楽を奏でられ続けられたらそれが1番最高だと。なるほど、そうやって何よりも身近な人が幸せになることが1番だと考えられることは素晴らしいし、矢印がまずは自分ではなく周りに向いている、その言葉を聞いて私は「彼らはビッグになる」と確信しました。
小学生から本物の音楽に触れる機会を作りたいと学校訪問演奏にも力を入れています(12月21日申請まで文化庁の補助金制度もあります)。部活動がなくなる傾向もある中で、吹奏楽にこだわらずとも音楽を通じて何かを表現できる指導を提案していくという活動も本格的にしています。その根底には、「音楽でも芸術でもスポーツでも、なんでも良いから心が動く体験を大切にしてほしい」という強い想いも込められています。そしてこれからの10年は柏のみならず、より多くの地域の人に彼らの音楽が広がっていくでしょう。これからのPassoにも乞うご期待!