次の進化-小池龍太

レイソルコラム

 チームでも屈指のスピードとスプリント力を持ち合わせ、またその緩急のつけ方や使い所を心得ている。それらを裏打ちするスタミナと、ボールを止めてまた動かすスキルも一級品。人間性も申し分ない。そんな誰もが羨むような能力を兼ね備えているのが右SB小池龍太選手だ。

 2017シーズンにレイソルに加入し、大躍進。今やレイソルの「顔」の1人となった。しかし昨季は奮闘及ばずJ2リーグ降格という結果に終わった。今季は1年でのJ1昇格を目指す戦いが続く。今、小池選手の思いやその眼が捉えている景色を聞くと、「常に『進化を続けたい』と思っていますよ」と真っ直ぐ前を見つめ、こう続けた。

 「まず、ネルシーニョ監督が描く戦術の下で求められることを完璧にこなしたい。それと併せ、試合中に苦労している仲間がいれば、自分が変化を加えて支えたい。自分の役割を果たしながら、『1だったものを2やそれ以上にできる存在』になりたいです」

 レイソル加入以来、レギュラーポジションを獲得することから始まり様々な課題を乗り越えてきた小池選手だが、それは言い換えると「自身のステップアップ」だった。現在見据える次の「進化」は過去最長のスパンを経て初めて果たされる規模のものにも思える。

 「それには経験が必要だし、常に評価を重ねていかないといけないし、試合でも毎日の練習でも『違い』を見せ、信頼を獲得していく必要がある。そうやって、『その力』を付けたい。監督の要求は多岐に渡りますしね。でも、日々新たな気づきもあり、楽しいですよ。レイソルに残って、監督と出会い、学び、勝つことができているから続けたいですね。自分は今、幸せです」

 小池選手の「進化」は止まらない。ぜひスタジアムで目の前を駆け抜ける小池選手の姿を見てほしい。

 (写真・文=神宮克典)