船橋市
船橋市在住で、墨と和紙による表現の可能性を追求して、ヨーロパやアメリカなど、国際的に活躍する現代アート作家、荒井恵子さんが先月28日、母校の葛飾中学校で水墨画のワークショプを開催した。これは、船橋市教育委員会の学芸員が進める企画「対話型鑑賞」の一環。
参加したのは同校2年生の生徒たち。今回のテーマは「喜怒哀楽」。「見えないものを描くのは難しいが心から手、筆に伝わっていく」と、墨を使って実際に描いて見せた荒井さん。生徒らは筆や刷毛を使い、イメージした喜びや悲しみを自分自身と対峙しながら和紙にぶつけ、表現した。
「芸術は奥深い。墨の濃淡、描き方で感情を表現出来ることを知った」、「心の中は見えないが、筆だけでなく、手も使って描けて面白かった。またやってみたい」など、生徒たちは多様な表現の仕方や、新しいものとの出合いに感動した様子。
同校では今年度「国際理解教育」をテーマに日本の伝統文化を学ぶカリキュラムを進めている。水墨画の伝統技法を用いて、世界に誇れる文化を創造、発信する荒井さんの創作活動に、生徒たちが直に触れ、体験することは、貴重な機会だったに違いない。自国の文化への気づきや理解が、将来に渡り、相互理解や国際理解にもつながっていくことだろう。