「女の子なんだから」は誰のため?

子どもの広場 ゆうび

 不登校生の居場所作りのボランティアをしている友人と話す機会がありました。


 「こないだ中学生の女の子が派手な肌の露出の多い服装で来たの。他の子もいたから気になっちゃって…。何か伝えたほうがいいのではと思ったけど迷ってしまって。男の子が同じような恰好でいても気にならないのに。これって女性だけに服装の配慮を求めてることになるのかな…」とても難しい問題です。


 肌の露出が多い恰好をしている女の子に対し「そんな服で性被害にあったらと思うと心配」「体が冷えない?」「似合ってるね。でも異性がいる場面では控えたら」…いろいろな意見があると思います。でも大元にあるのはやっぱり『女の子なんだから』という一つの思いでしょう。


 『家族で食事中、兄は足を組んでも親に何も言われないのに妹の私はいつも注意された。兄も私もそういうものかと大人になった』等、私たちには社会が作り上げた性差の概念が、育ちの中で強く根付いています。
 露出の多い服装や足を広げて座るなどの女の子を見て、私たちが違和感を覚えるのは当然です。「女の子ははしたない恰好はしないもの」という価値観で生きてきたからです。


 ですが、その違和感を相手に投げかけることには慎重である必要があります。大人が「その姿はちょっと」と伝えるのは「女の子のそういう恰好は好ましくない。この世の中そういうもの」というメッセージを与えかねません。

 確かに今までの世の中はそうであったかもしれません。しかし、女性に対する服装や態度の規制は、誰が何のために作りだしたのでしょう?


 最近よく目にするSDGs(持続可能な開発目標)の一つが「ジェンダー平等を実現しよう」です。子どもたち・若者たちがこの先、生きていく世界。その世界がどのような世界であれば幸せに生きていけるのか。自分の価値観とずれはないか。ずれていた場合、相手を変えるのか、自分の価値観をアップデートするのか。自問自答の日々です。


(実際、社会が変容するには時間がかかり、現場で難しいケースも。次号へ)

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