わきまえずに話し合おう

子どもの広場 ゆうび

 JOCでの森氏の女性蔑視発言問題。「女性が沢山入っている理事会は時間がかかる」や「(組織委員会の)女性はわきまえている」など。女性に対する差別発言に弁解の余地はありません。

 そもそも、会議というのは多数の意見を集約し、一つの方向性を導き出す作業です。悪戯に時間をかければ良いという訳ではありませんが、多種多様の意見を精査することがよりよい結論を導くことになるでしょう。逆に反対意見や疑問・質問も全く出ない、会議に意味があるでしょうか。

 ゆうびには月1回「こどもミーティング」の日があります。皆で検討したいことを持ち寄り話し合います。原則、多数決がないので長い時間がかかります。

 昨年秋、翔くんが「感染対策に配慮して小さなライブイベントをやりたい」と申し出ました。「年に数回、イベントで演劇やバンド、出店など、なにかしら表現する機会があることが自分にとって生きがいだった。今はそれが無く、先も見通せないのがつらい」と本音を話してくれました。

 子どもたちからは「ぜひやりたい」「食事は今回は作らないで個包装の物を売ろう」「私は演劇やりたいけど今回は一人芝居にしようかな!」など誰もがイベントを開催する方向で話が弾んで行きました。

 そんな中、陽くんが「おれはイベントやってほしくない」と意見を投じました。「イベントで普段あんまり来ない人が沢山来たら密になる。うっちー(高齢の園長)がかかったらどうする?感染者が出てゆうびが閉鎖になったら行くところがない。イベントが無くても毎日ゆうびが開いてるほうがいい」。

 場は静まりました。思いつく限りの感染対策はする。でも「だから大丈夫」とは誰も言えない問題です。イベントをやりたい子の気持ち、やりたくない子の気持ち、どちらも切実です。長い時間を経た後、翔くんが「一人でもやってほしくないという子がいるなら僕はやろうと思わないです」と発言し、会は終了しました。

 多数、少数、立場、性別、年齢、わきまえることなく、堂々と自分の意見を主張しあい、認め合う。大切な会議の在り方だと思います。

☎04・7146・3501 FAX同7147・1491(NPOゆうび小さな学園・折坂麻理江)