返事はあっても、なくっても

子どもの広場 ゆうび

 由ちゃんの傍らにはいつもスマホがあります。友達とラインのやりとりをするためです。一緒にお昼を食べているときもスマホが鳴ると「ちょっとゴメン」とすぐに目を通します。「どんなことやりとりしてるの?」と聞くと「ん~好きなアイドルとか、学校の事とか。大した話はしてないよ」と言います。

 相手から返信がないときは大変です。「友達にラインしたんだけど返事が来ない」。聞くと送ってからまだ1時間も経っていません。「もう少し気長に待っていたら」と伝えますが由ちゃんは「嫌われたのかな?こんなに遅いなんておかしくない?!」とそのことで頭が一杯の様子でした。

◆翔くん(中2)。話している中で翔くんの友達の創くんの話題になりました。「創くん最近ゆうびに来ないね。連絡とってたりする?」と翔君に聞いてみました。「こないだラインしたけど連絡ないなあ。創はたまにそういうときあるんだよ。誰とも連絡とりたくないときってあるじゃん。しばらくしてまた連絡したくなったらくるだろうし」とのんびり言います。

 ラインは気軽にコミュニケーションを取れる便利なものですが、それでもそのやりとりには時間と労力が必要です。相手がどう捉えるかと文章を熟考するから、すぐ返すのが苦手と言う子もいます。

 四六時中、連絡を催促されるのは誰でも疲れます。ビジネスの世界でも最近、テレワークの普及から「つながらない権利」が注目されていますね。勤務時間以外は電話やメールなどの対応をしなくてよいという欧米では法制化されている権利です。

 仕事関係だけでなく、友人や恋人など、どんなに親しい間柄でも相手と自分の「今はつながりたくない」という気持ちを尊重したいものです。

 私は古い友人と未だに手紙で文通しています。由ちゃんに「ポストに手紙を入れるときは、もちろん返事がきたら嬉しいけど来なくてもいいや。時間がある時に読んでくれて、元気でいてくれたらそれでいいと思うようにしているよ。」と伝えました。由ちゃんは「ふ~ん」と言っていました。

 相手には相手の都合がある。当たり前のことですが、ラインもそんな風にのんびりと構えた付き合い方が出来るといいですね。

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