赤ちゃんの健やかな成長を願う “サンガチ”

東葛まいにち

旧暦3月3日はサンガチ(浜下り)という伝統行事の日だ。

 学校は昼から休みになり、臨時休業する店も多いなど島民行事の中ではかなりビッグな方である。

  この日の主役は赤ちゃん。一年のうちに産まれた赤ちゃんに草鞋を履かせ、男児にはビク(籠)女児にはソイ(ザル)を持たせ、赤ちゃんの足を海水につけて無病息災を願う。

  日中大きく潮が引くので、新生児がいない家庭も皆、海へ出て潮干狩りを楽しむ。出現したリーフの上を歩いて美味しいものが隠れていないか目を光らせるのだ。潮干狩りの他にも魚釣りやモリを片手に素潜りするなど、楽しみ方はそれぞれだ。獲った獲物はそのまま浜で調理したり、晩御飯のおかずになったりする。

  夕方は親戚や知人の家に新生児がいればお祝いに駆けつけて宴会に参加するが、それがなくても明るいうちから飲んだり食べたり。私の中で”昼から酒が飲める日”として毎年楽しみな日である事はここだけの内緒だ。

  余談だが秋に行われる町民体育大会(略して町体)の日も臨時休業する店が多い。町体とサンガチの日に旅行に来てしまったら、いっそのこと参加して楽しんでみるのも面白いかもしれない。

(写真・文  一般社団法人 ヨロン島観光協会 小高)


ほのぼのとした「島だより」今回で最終回となります。心癒される与論島、ぜひ訪れてみてください。

(東葛まいにち編集部 大澤)