新連載「わぴちゃんさんぽ」雪の結晶みたいな霜を探してみよう!

わぴちゃんさんぽ

 はじめまして。今回から新たに散歩シリーズを担当する「わぴちゃん」です。ふだんの野外活動で見つけた自然の中から、散歩道でも見つけられる身近な話題を中心にお届けしていきます。じつは東葛沿線さんぽ最終回(2021年11月24日号)で取り上げられた関宿城博物館周辺地域は、わたしの主要活動エリアのひとつです。偶然かもしれませんが、何やら運命のようなものを感じてしまいました。そんなわけでこれからよろしくお願いいたします。

キンキンに冷え込んだ朝は、雪の結晶みたいな霜を探してみよう!

 今は1年のうちでもっとも寒い季節。冬の関東平野は、晴れの日こそ多いものの、内陸部を中心に朝の冷え込みが非常に厳しくなる傾向があります。わたしは雪氷現象撮影の目安として、冬場は自宅庭で最低気温をチェックしていますが、-5℃以下になることが珍しくありません。ちなみに関東で雪が降った翌朝(1月7日)の最低気温は-9.3℃でした!

 そんな冷え込んだ朝は、さまざまな氷の造形が見られます。霜もそのひとつで、空気中の水蒸気が凍ってできた、小さな氷の結晶です。結晶のかたちはコップ型、釣鐘型、羽毛型など、大まかにいくつかのタイプに分けられます。しかし細かく見ると、まったく同じものは2つと無いと言っても過言ではないくらい、とてもバリエーション豊かなものです。

枝についた六花型の霜の結晶(撮影=わぴちゃん)

 その中でも「推し」は、わたしが六花型と呼んでいるタイプで、雪の結晶のような形になったものです。六花(六つの花)は雪のことです。ちなみに霜の結晶は「三つの花」と呼ばれます。雪の結晶のように整った形ではありませんが、その模様はとても美しく、しかも比較的大きいため観察しやすいのもポイントです。

 わたしの経験から、空気も土もカラカラに乾燥している時に、最低気温-7℃以下まで冷え込むとできやすい傾向があります。河川敷のような場所で比較的見つけやすく、ヨシやオギなどの枯れた枝や葉によくついています。もちろん東葛地域でも観察可能です。

 枯れ葉の表面についたものは、雪の結晶の断片のようなものになりやすい傾向があります。もし、少しでも雪の結晶に近いかたちのものを探したいと思ったら枯れた茎、それも少しでも細いものについているものを探してみると良いかもしれませんね。


わぴちゃん(岩槻秀明)プロフィール

気象予報士。自然科学系のライターとして植物や気象など自然にまつわる書籍の制作に携わり、著書は20冊以上におよぶ。千葉県立関宿城博物館調査協力員、野田市史編さん委員会専門委員なども務める。宮城県生まれ野田市育ち。わぴちゃんホームページ