東葛駅伝を走った選手たち- Vol.2 工藤大和さん(流山市立八木中学校出身)

東葛駅伝
2017年 県通信3000m予選(中学3年時)

 流山市立八木中出身、東葛駅伝は2年連続出場。第70回は3区、71回は1区を走った工藤大和さん。現在は麗澤大学陸上競技部に籍を置く。

 小学生時代は陸上部とバスケ部、中学ではバスケ部に所属。もともと長距離が得意だったことと、バスケの体力作りも兼ねて駅伝部にも入部した。

東葛駅伝の思い出

 「自宅の近くが東葛駅伝のコースだったこともあり、物心ついた頃からすごく身近にありました」。八木中に入学後、それが東葛駅伝ということを知り、走りたいという気持ちが強くなった。東葛駅伝は中学2年時から2年連続で走った。

第70回東葛駅伝でタスキを受け取り走り出す工藤さん

八千代松陰高校へ

 「年末の全国高校駅伝をテレビで見て、駅伝といえば八千代松陰が強いというイメージがありました。中学3年時に走った記録会で、バスケ部の私に最初に八千代松陰の先生から声をかけて頂いた時は驚きました。練習を見学し、全国で戦うチームの雰囲気を見てレベルの高い環境で挑戦してみたいと思い、八千代松陰への進学を決めました」

高2で全国高校駅伝に出場

 千葉県高校駅伝に本人は出場できなかったもののチームは優勝し、全国高校駅伝に進出。11月の関東高校駅伝は5区 区間2位で自分なりにアピールできたと話す。

「駅伝メンバー選考のレースで思ったような走りができず、ギリギリで10名の登録メンバー入りでしたので、全国高校駅伝を走れる自信はありませんでした。その後、他のメンバーの調子が上がらず、私の調子が上がったことで、結果的に6区に選んでもらえました」

 初めての全国の大舞台で当時の持てる力を出し切った反面、他校との差を感じるレースでもあったという。

関東高校駅伝で区間2位に

 

高3で主将。コロナ禍との戦い

 「主将に立候補し、他のメンバーが快く受け入れてくれました。2020年は、コロナ禍で全国大会(インターハイ)がなくなり、私も含め多くの3年は目標とする大会を失い、モチベーションの維持が難しかったです」

 緊急事態宣言解禁後に新入生が入部し、ようやく集合練習ができるようになった。全国高校駅伝が開催されることを信じ、『8位入賞』という目標を掲げた。

「チーム全員で同じ目標を向けられたのが大きかったです。いろいろと制約がある中で、できることが限られていたので。主将としてこれと言って何かをしたわけではないですが、チームのメンバー、監督との間で継続してコミュニケーションを取ることを意識していました」

 千葉県高校駅伝は3区を走った。追いかける展開で差を詰めることができず悔しい思いをしたが、仲間の頑張りもあり、逆転優勝。

 「3区は留学生が多く走る主要区間で不安はありました。私の役目は1つでも順位を上げるで、前を追うことだけを考えて走ったと記憶しています。結果はタイムも区間順位も満足とまでは言えませんが、大学に上がる前に高いレベルのレースを体感できたことは、とてもいい経験になったと感じています」

3区を走った全国高校駅伝

 

「歴史を創りたい」 麗澤大へ進学

 「どの大学よりも早く声をかけて下さったのが麗澤大で、監督、コーチが私を必要としてくれていると強く感じ、その熱意に惹かれました。駅伝では歴史の浅い大学なので、自分自身が歴史を創っていけるという点も決め手のひとつでした」

 大学2年、関東学生連合で箱根駅伝に出場。「各校エースが集まる2区は、トップレベルの選手ばかりだったので、気にしたらキリがないと考えて臨みました。緊張はあまりしなかったです。自分の走りに徹しようと心がけてスタートしました。最初の5kmで大きく差を広げられてしまい、実力以上の差を痛感しました」

写真提供=ハイテンコーギーさん (Xアカウント @TFEkoma

第100回箱根駅伝、予選通過ならず

 大学3年時に主将になり、迎えた第100回箱根駅伝予選会。いま振り返ると自信を持ってスタートラインに立ててはいなかったという。

 「個人ではやや不安を抱えていて、チームとしても少し穴がある状態ではありました。しかし、それ以上に他校との底力の差が如実に出たと感じています。他校は集団走を徹底し、それが後半の順位変動に大きく影響していました。私たちはそれができなかったです」

2023年箱根駅伝予選会

主将交代

 箱根駅伝予選会で敗退し、私自身はこの1年できることはすべてやりきったと感じていた。「この状態で主将を継続してもチームは変わらないと思いました」

 大学1年時に箱根駅伝関東学生連合6区を経験している同期の鈴木康也に主将を交代することでチームが変わるきっかけになればと思い、監督に交代の意思を伝えた。

2024年度、そしてこれからの目標

 「チームとしては全日本大学駅伝選考会を突破と箱根駅伝予選会通過です。この2つの駅伝は、記念で出場するだけではなく戦うための準備をしています。個人ではチームの目標に貢献できるように結果でチームを引っ張っていきます。最終学年で歴史を変えてチーム全員で喜び合いたいです」

 大学卒業後は実業団で競技継続を志望している。「将来は、日の丸を背負って世界の大舞台で走れる選手になりたいです」。

 

取材・撮影=さとる(Xアカウント @all_kanto)