旅スケッチ

ふれあい毎日連載

猛暑を避けて緑陰を歩く「八千代台西市民の森」「藤崎森林公園」 

八千代市 習志野市

 連日最高気温35℃。立秋を迎えたというのに猛暑日が続いている。

気温が下がる夕方、「八千代台西市民の森」へ向かった。京成八千代台駅から西へ線路沿いに500㍍ほど歩く。園内に入ると樹木の葉で強い陽射しが遮られ、ほっとする。『高津新田のカラスビシャ』という説明の板が目に止まった。

的にカラスを描き、それを弓で射るオビシャでカラスビシャと呼ばれている。豊作を祈願する神事とのこと。

 周囲を散策するとベンチで談笑する高齢者や公園内を横切っていく家族連れなど、ここが日々の生活の一部として使われていることがわかる。西側の出口から別の道を辿り、駅へと戻る。

 途中、「ナチュラルスパイス」という食器店に寄る。食事の時間が楽しくなるような雰囲気のある食器が並ぶ。ネット販売と実店舗の両方の営業。食器類が大好きだという店長の関口宏美さんは「出店できるイベントをいつも探している」と話す。

 そこから100㍍程のところの「アトリエ・ペティ」へも立ち寄る。小さな倉庫のようなスペースに洋服や雑貨がうまく陳列されている。シダの葉模様の折り畳み傘が気に入ったので購入。雨の日が楽しみになった。これで本日の散歩は終了。

 別の日、以前から気になっていた「藤崎森林公園」へ行ってみた。京成大久保駅から津田沼方面へ歩き、交差点で住宅街に入る。しばらく歩くと忽然と森が姿を現した。鬱蒼と繁る森の斜面を下ると池が出現。

カワセミを撮影しようと、シャッターチャンスを伺う人がいた。カワセミは確かに美しい鳥だ。

遊歩道沿いに木曽森林鉄道の車両が展示されている。県指定有形文化財の旧大沢家住宅も公開されていた。一角はまるで白昼夢でも見るような、レトロな雰囲気だ。

 公園を出ると、途中に「土曜サロン」の看板を発見。庭に水を撒いている男性に声をかけ、中でひと休みした。

このサロンは岡田光正さん(83)が大学を退職した後に空き家を借りて作った「あったか大久保ひろば」という交流施設だった。ここは再度訪問してじっくり話を聞くことにしよう。

予約していた「村上春樹の絵本を読む会」に参加するためだ。店長の那須庸仁(なすつねひと)さんが朗読する絵本『ハリス・バーディックの謎』(C・Ⅴ・オールズバーグ絵と文、村上春樹訳)を楽しむ。

夏の日の夕暮れ時、ゆったりとした時間が流れ、贅沢で至福のひと時に癒された。

■自由きまま散歩データ

▼京成八千代台駅~「八千代台西市民の森」往復2㌔、約2時間。

▼京成大久保駅~「藤崎森林公園」往復約3㌔、約3時間。