人との出会いを大切に  昭和プラスチック株式会社

なにつくってるの?東葛工場拝見

 私たちの生活に欠かせないプラスチック製品。卵の透明なケース、豆腐のパック、菓子の箱などが身近に使われている。

 柏市高田にある昭和プラスチックは、昭和41年創業のプラスチック製品の製作会社だ。

 創業当時は、柏市豊住でプラスチックの着色加工を主な業務としていた。現在の柏市工業団地に移転してから、プラスチックの真空成形に特化した企業に生まれ変わった。真空成形とは、トイレットペーパーのように巻かれた巨大なプラスチックシートを熱で温め、金型の上でバキューム(真空)し、成形することだ。金型には小さな穴が開いているのでそこから空気を吸って真空にする。この工程により、低コスト、短納期が実現する。

 昭和プラスチックでは、製品を美しく見せるためのブリスターパックも得意分野だ。ブリスターパックの一例として、歯ブラシを例に挙げると、店頭でディスプレイされている歯ブラシは、本体を囲むように透明なケースに入っている。このケースをブリスターという。これらは、50個の小さい単位から注文可能だ。長年の取引先の他に、業界の展示会で知ったという企業やHPを見たという会社などから注文がある。

 皆川悦子社長は、「一番やり甲斐を感じるのは、社員が自分のやる仕事を自分で作ってくれていること。また、人との出会いがあることです」と語る。

 昭和プラスチックは、「人を大切に」をモットーに、社員の定着率が高いことも自慢だ。今まで一番長く務めた社員は、46年間も在籍していた。また、障がい者雇用にも積極的。現在働いている34歳の知的障がい者の男性は、18歳から勤務している。

 社員の健康にも留意しており、企業の生産性をも高めることにつながる経済産業省の提唱する「健康経営」の認定を受けるべく企業努力も欠かさない。

(取材、文=高井さつき/写真=高井信成)

■昭和プラスチック株式会社

柏市高田1116‐36☎04・7145・611