プロバイオティクス雑記~入門編~

健康

 「免疫機能の維持」「睡眠の質を高める」「尿酸値を下げる」「目や鼻の不快感を緩和する」「内臓脂肪を減らす」等々…。ここにあげた一見何の関わりもなさそうな効能達は、ある共通する商品群に標榜されているものです。カンの良い方はもうお気づきでしょう。これらは全て「プロバイオティクス」を含む商品で謳われているものです。


 プロバイオティクスとは「十分量を接種した時に宿主に有益な効果をもたらす生きた微生物」と定義されます。何等かの効能を標榜する特定保健用食品(トクホ)や機能性表示食品のほか、市販薬や処方薬として出される整腸剤もプロバイオティクスの一種と言えます。


 これらプロバイオティクスがどのような機序で多種多様な効果を示すのか…実の所よく分かっていない部分も多いのですが、共通しているのは腸内環境を良好な状態に改善するということです。
 健康な人とそうでない人の腸内細菌の状態を比較すると、いわゆる善玉菌と悪玉菌のバランスに明確な差が出るといわれていますが、一方で現代の日本人の食事は腸内細菌のバランスを整える発酵食品の摂取量が減っていると言われています。  


 巷では「腸活」が話題となっています。一度ご自分の食生活を見直し、古来からあるヨーグルト等の発酵食品や乳酸菌サプリといった健康食品、整腸剤などのプロバイオティクスを積極的に生活に取り入れて日々の健康の一助としてはいかがでしょうか?


 ただ、中には組み合わせに注意が必要なものもあることを覚えておいてください。最近、納豆を摂ることを控えるべき処方薬を飲んでいる人が、知らずに納豆菌入りの整腸剤を買っていたという事例もありました。かかりつけの薬局で相談してみるのも良いと思います。


 今月はこの辺りで失礼いたしますが、この話はまだまだ続きますのでご期待を。
 担当薬剤師 石井雄太

 問☎047・360・3600一般社団法人松戸市薬剤師会