100年ぶりの復活 二番町人形山車
「玉乃井龍神山車人形」
15日(土)~16日(日) 各日15時~21時
佐倉市
麻賀多神社と愛宕神社、神明神社、八幡神社の氏子町が加わった4社合同祭「佐倉の秋祭り」が3年ぶりに開催される。日程の短縮や出店はないが、古い町並みが残る城下町を神輿が練り歩き、お囃子を奏でながら山車を引き回し、五穀豊穣を祝う様子はいにしえの賑わいの再現だ。
そんな中、祭りの中心地にある二番町の人形山車が100年ぶりに復活する。新町通りの「佐倉新町おはやし館」に展示されている江戸時代制作のオリジナル「玉乃井龍神山車人形」を乗せて引き回すが、人形を乗せない形の山車は1992年が最後の引き回しでその後は封印されていた。
2019年に佐倉二番町祭礼委員会で山車人形を乗せた山車の復活が検討され、山車人形保存会が文化庁に申請して補助を受け、修復するに至った。元々は江戸時代に江戸城の殿様に見せるために制作されたものを明治時代に新町六町と弥勒町が7体の人形のついた山車を購入したものが始まり。
現在は5つが運行されていて、人形は能や日本書紀などを由来としたものが多い。二番町所有の「玉乃井龍神山車人形」を乗せた山車は期間中、新町地区にある複合施設「夢咲くら館」の広場に展示され、新町大通を中心に引き回される。
15日17時からは江戸中期に制作された麻賀多神社の県内最大級(台輪巾5尺(1.51㍍)の豪華な大神輿と里帰り渡御として初代のお神輿が同広場で同時に展示され、これも大変貴重だ。
「担い手が減る中、周囲の力を借りて何とか100年ぶりに山車人形を引き回すことが出来てとても感謝している」と二番町祭礼委員長の大野高躍さん(62)。壮大な姿をぜひその目に焼き付けて。
▽アクセス「京成佐倉駅」「JR佐倉駅」各徒歩約15分。
「玉乃井龍神山車人形」を乗せた二番町の山車(大野さん提供)