4月3日からの3日間、日立柏サッカー場人工芝グラウンドでは、ジュニア年代(小学生年代)を対象とした国際大会「WORLD FOOTBALL FESTIVAL U-12」(主管:UNASDG IGO/主催: WORLD FOOTBALL FESTIVAL 大会事務局)が開催され、柏レイソルからは育成組織・柏レイソルアカデミー所属の柏U-12チームが参戦した。
柏レイソルアカデミーを統括する渡辺毅ダイレクターも、「お声がけをいただいたタイミングで『是非とも参加させていただきたい』と手を挙げさせてもらいました。選手たちにとって、こんな素晴らしい大会を、しかも国内開催でとなると、なかなかあるものはありませんから」と話すほどインパクトとクオリティのある大会だった。
コロナ禍以前は中東や欧州での世界大会へ積極的に打って出いた柏レイソルアカデミーとしての通常を取り戻す意味でも有意義な大会となったはずだ。
ブラジルからはサントス、スペインの古豪セルタ、ポルトガルリーグをリードするベンフィカ、育成大国オランダからはフェンロという列強国のジュニアチームの参戦がとりわけ目を引いた大会だったが、我らが柏U-12はグループリーグを見事全勝で駆け抜けた。
グループリーグ全勝対決となった最終戦のサントス戦では柏レイソルトップチームのスターであるマテウス・サヴィオやジエゴらが見守る中で柏はU-12は大奮闘。戦前は実力に勝ると思われたサントスを3ー1で完全撃破するなど、柏レイソルアカデミーの力を見せつけた。
6日に開催された準決勝の相手はベンフィカ。サイズやリーチに勝る強豪との熱戦は1ー1で終了。PK戦までもつれて惜しくも敗戦。ひと足先に決勝進出を決めたサントスが待つ舞台には進めなかった。
大会を終えた張ヶ谷知樹U-12監督は肩を落とす選手たちに具に目をやりながら大会を総括してくれた。自身もレイソルアカデミーの俊英として多くの海外遠征を経験してきた世代の1人でもあり、共に指導にあたる輪湖直樹コーチも木村真GKコーチも多くの国際大会を経験してきた。普段より感情が昂った様子の張ヶ谷監督は自身の経験を元にこう話す。
「自分もレイソルアカデミー時代にたくさんの遠征や国際舞台を経験させてもらったことがあるので、こういった大会から得られるものの大きさを知っています。普段とは違う相手と『戦って・実感して・体感して』ということですよね。悔しい結果になりましたが、この大会で経験したものは力になりますし、この大会のパフォーマンスをこれからのベースにしてもらいたい。必ず次に繋げて欲しいというのが本当の気持ちです」
柏レイソルのキャプテンである古賀太陽をはじめとして、日本代表の細谷真大、佐々木雅士、真家英嵩、山田雄士、白井永地、鵜木郁哉といったトップチームの面々も、育成年代での国際大会をステップにプロサッカー選手としての未来を掴み取った。この大会の経験が活かされるのはまだ少し先になるのかもしれないが、国内ではなかなか味わえない皮膚感覚を得た小さなレイソル選手たちと指導者たちの進化に期待しよう。さあ、始めよう、「柏から世界へ」をまた柏から。
WORLD FOOTBALL FESTIVAL For the Realization of Well-being (football-fes.org)
(写真・文=神宮克典)