集いし、新鋭たち

レイソルコラム
新加入の選手11人

 1月14日、柏レイソルは「2023新体制発表会」を開催し、今季新加入選手をお披露目した。新加入は11人。内分けは前所属クラブの主力クラスが8人と育成年代から3人。


 鳥栖から加入したブラジル人DFジエゴ選手は左のCBと左SBとして活躍してきた。昨季はアタッカーとしての起用も予定されていたという汎用性の高い能力者だ。


 清水の下部組織育ちの大器・立田悠悟選手は刷新が急務となる3CBの中央での適性が高い選手。彼にとってのプロデビューの地でもある三協フロンテア柏スタジアムでの躍進に期待がかかる。


 同じく清水から加入のDF片山瑛一選手は左右のSBやCB、時にはアタッカーとしてプレーしてきたユニークな能力を持つベテラン。片山選手の存在はチームの戦術変更の選択肢を広げるはずだ。


 山形の攻撃を担ってきたMF山田康太選手が持つ攻撃的なスペックはレイソルの中盤で異彩を放つことだろう。鋭いターンと多彩なアイデアで新たなリズムを奏でることが期待される。


 東京国際大学から加入のMF落合陸選手はレイソルアカデミー出身のMF。既に昨季、公式戦デビューを飾っている。中盤でもサイドでもプレーできる多彩さと大学リーグで刷り込んできたハードワークが武器となる。


 名門・流通経済大学から加入のMF熊澤和希選手は中盤の底で違いを放つセンターMF。激戦のMF陣の中でもすらりと際立つサイズ感と名門出身の格を見せつけたい。


 レイソルアカデミーから昇格のMFモハマド・ファルザン佐名選手とFW山本桜大選手はU―18日本代表を経験してからのプロ入り、日本体育大学柏高校出身のFWオウイエ・ウイリアム選手はポテンシャルに恵まれたFWだ。


 そんな新鋭たちの中で、強い意志を放ったのはMF仙頭啓矢選手だ。巧みな動き出しと攻守における貢献度の高さが持ち味。MF小屋松知哉選手は京都橘高校の後輩であり、東洋大学時代にレイソルでの練習参加を経験している縁も興味深い。仙頭選手は加入に至った経緯をこう話した。


 「レイソルからのオファーは早く、とても熱意のあるものでした。クラブが目指すところやタイトルへの熱意を聞かせてくれた中で、自分のことを『必要だ』と言ってくれて嬉しかったですね。クラブに必要とされてプレーすることは選手冥利に尽きますし、『レイソルでプレーしたい』という気持ちが湧いて決断に至りました。大学時代にお世話になった縁も大きかった。『柏から世界へ』という言葉があるように、レイソルをタイトルやアジアへ導く力になれるように頑張っていきたい」


 そして、最後は札幌から加入のMF高嶺朋樹選手。MFで唯一の左利きであるという「違い」と質の高いミドルパスで新たな経路を作り出すことや守備時の存在感も注目の選手だ。


 「昨季までのサッカーとは変わりますが、自分に足りない部分を磨くためにレイソルへ来ました」と話を切り出した高選手は、現在のビジョンをこう話した。テーマは「チャレンジ」―。


 「自分が『キャリアの中でチャレンジできる機会はそう簡単には来ない』と感じていた時にレイソルから熱心な打診があり、加入を決めました。自分は『試合に出る』ということを先にある目標への過程として捉えているので、今は『どうやってチームに貢献するのか』を考えています。もちろん、ポジション争いを蔑ろにしては成長はないですし、そこにある『チャレンジ』や『勝負』そのものも楽しみたい。新加入だけでも多くのMFが揃いましたが、チームの中心になり、貢献していきたい」


 昨季最終節に「補強が必要だ」と繰り返し語っていたネルシーニョ監督の要望に応えた形の充実の補強。様々なポテンシャルや意志、選手としての現在地を持つ新たな俊英たちと現有戦力の融合が今から待ち遠しい。

(写真・文=神宮克典)