ちょっと変わった本屋

ちば湾岸エリア

「本と珈琲の店Punto」

       千葉市

京成「みどり台駅」から徒歩3分、スペイン語通訳者の上野洋子さんと夫でグラフィックデザイナーの太一さんが昨年4月7日に始めた新刊書店Punto(プント)を訪れた。

 店名の由来と書店を始めるきっかけをたずねた。「Puntoとはスペイン語で点や地点、論点といった意味。出発点や集合地点、転換点など様々な使われ方をする言葉。短くて響きもよいので決めました。コロナ禍で通訳の仕事がゼロになったことが書店を始める動機。書店という空間はいろいろなテーマとリンクする。スペイン語とデザインも繋げられる」と、洋子さん。

 心地いい店内には表紙を見せる平置き方法で美しい本が並ぶ。ベストセラーのような売れ筋の本は取り扱わない。スペイン語関係、デザイン、自然、環境、言葉や詩、食、旅、建築、音楽、映画が主なジャンル。

 この場所を選んだのは「閑静な住宅地で大学もあり、コーヒー豆店やパン屋など個人商店が点在している。みどり台駅周辺で使われている地域通貨が使えるのも面白い」と太一さん。店内の日当たりのよい窓際にはカフェスペースもある。床、本棚、カウンターは夫妻の手作り。

 本に対してのこだわりは「デザインの視点から楽しめる本、装丁に興味があり、美しい本が好き」と口をそろえる。装丁の面白さに魅かれて本の世界に入ってみるのも良いのでは。店の奥の広いスペースでは、今後シェア型の本棚を始める。棚はすでに完成して、入居本を待っている。

 「プントっていう、ちょっと風変わりな本屋があってもよい」と笑顔の洋子さん。お二人とも書店勤務の経験はないが、「だからこそ枠にはまらない面白さを出したい」と太一さん。

▼千葉市稲毛区黒砂1の5の14。The30thビル201。12時~18時。(不定休あり)。http://punto.jp