Passo a Passo(パッソアパッソ)2016年プロデビュー。市立柏高校吹奏楽部出身のトランペット藏持智明(くらもち ともあき)、サックス柗井拓野(まつい たくや)の先輩後輩デュオ。「誰もが楽しめる、唯一無二のコンサート」をコンセプトに、クラシック・ジャズやオリジナル曲を演奏し、老若男女問わず人気を得ている。 年に一回、柏市民文化会館大ホールで「Passo a Passo Concert」を行っている。今年は11月23日に開催予定。チケットはこちらから
激動の2020年と、今後の活動についてお二人に聞きました!インタビュー《前編》
―コロナ禍で活動はどう変わりましたか?
2020年2月に人前で演奏したのを最後に、3月からは予定が全てキャンセルになってしまいました。そこで僕たちに今できることは何だろうか?と考え、以前から興味のあった「YouTubeを使った配信」を行うことを決め、すぐに照明、編集ソフト、マイクなどの機材を揃え、動画制作に取り掛かりました。
―動画制作で苦労したことは?
3~4分の動画を1本作るのに10時間以上かかることもありましたけど、やり始めてみると面白かったです。とりあえず、毎日1本の動画を配信しようと目標を立て、2か月間は1日も欠かさず配信し続けました。
画面から熱量を伝えるためにはちょっと大げさなぐらいに振舞わないといけないので、動画を撮る前にテンションを上げるのが大変でしたね(笑)。 一方で『良い動画を撮るためにちゃんと練習しよう』というモチベーションが保てたことは良かったと思います。自分たちの演奏を客観的に聴くことになるので、とても良い経験になりました。演奏中に「今のイケてる!」と思っても編集で聴いてみると「あれっ?何か違うな」ってことも (笑)
―動画への反応はどうでしたか?
これまでファンだった方が主に観てくれると思っていたのですが、予想以上に新規ファンの方が増えたことは嬉しかったですね。その反面、最初はカバー曲の演奏ばかりを配信していたので、カバー専門と思われてしまったりと、少しずつ自分たちが求めていた方向と違う、というジレンマが生じました。
本来の自分たちの姿である、コンサートでのシリアスな演奏シーンだったりPasso a Passoがどういう人間であるか笑いの部分も含めて見てもらうことに重きを置くようシフトしていきました。
―コロナ禍を経て心境の変化は?
若手アーティストと、既に活躍している大御所アーティストとの距離が縮まることは平時ではまずありえませんが、コロナ禍になったことで誰もが同じスタートラインに立つことになったと思っています。だからこそ「今までにない新しいやり方」を、誰よりも早く見つけて真っ先に飛び出すことができたら!そのために何ができるのかを考えてワクワクしました。
二人ともこれまでクラシック専門で学んできて、オーケストラの仕事などももちろん楽しいんですけど、大勢のバンドメンバーの一人という立ち位置でなく「Passo a Passo」としての面白さを伝えたい。オリジナルの曲を作って演奏したい!と、より強く思うようになりました。
誰もが経験したことのないこのコロナ禍を、前向きにとらえて「チャンスに変えよう!」って。
(後編へ続く)(写真・文=松原美穂子)
後編は来月号に掲載。コンサートについて、たっぷりとご紹介します!お楽しみに!