会話泥棒

自分のペースでだいじょうぶ

Q.私は、自分の性格を明るくてコミュニケーション能力もあると思っています。けれど、友だちと話をしている時に「おしゃべりばかりしないで、人の話も聞いてよ」と言われてしまいました。こういう性格は変わりますか?(40代女性)

A.私が、メンタルクリニックでの実習中に教わった言葉があります。それは、「会話泥棒」です。その言葉を聞いた時、頭に思い浮かんだのが、オードリー・ヘップバーン主演の映画「おしゃれ泥棒」でした。会話泥棒が、なぜかおしゃれな言葉に聞こえたのです。


 しかし、会話泥棒は、実はおしゃれとは程遠い言葉。誰かと会話をしている時に相手がしゃべっているのに、いつの間にか強引に自分の話題へ持っていく人のことです。
 あなたは、ピンときませんでしたか?


 誰だってこんな経験があると思います。話題を持っていかれた、または話題を持っていったかもというような。
 会話泥棒にはこんなパターンがあるそうです。


①強盗系・・・無理やり話を持っていく。最後まで人の話を聞かず、かぶせに入る。
②泥棒系・・・一応、話を聞くふりをしていつの間にか途中で持っていく。
③スリ系(かすみ取り系)・・・人の話から自分の話へ持っていき、マウントを取る。


 会話泥棒という言葉を知って、自分はどうなのか考えてみたんです。そうすると、自分は隠れ泥棒だったことが発覚。話を聞くふりをしながら、自己主張をしている自分に気づいたんです。2、30代のころの私は、「物静かな○○さん」という代名詞がついていたと思いますが。年齢を重ねるごとに自分が自分が!という気持ちが少し強くなってきていたのかもしれません。そのことを反省しました。


 だれでも人の話を聞くより、自分の話を聞いてもらいたいものです。だからといって、聞き役に徹していると疲れてしまいます。小説でも映画でも登場人物の素敵な会話ってありますよね。会話はコミュニケーションの基本。話を聞いてくれる人がいないと会話は成立しません。お互いに気持ちよくおしゃべりするためには、しゃべる力より聞く力を持つことのほうが大切だと思いませんか。


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