「古山教育研究所」代表
古山明男さん
千葉市
不登校の子供たちとその家族を支える活動を30年以上続け、日本の学校システムへの問題を提起した著書の執筆や、経済の研究者としても活躍する古山教育研究所代表の古山明男さん(73)を訪ねた。
古山さんは大学卒業後、6年間出版社に勤務。「同じ人間同士なのに身分制度のように上下関係があることに反発を感じて全く敬語を使わないでいたら、総スカンをくらった。そのときは自分の周りに氷の壁があるようでした」と、笑いながら会社を辞めたいきさつを語る。
しかし、その経験が不登校の子どもと接するときに活きた。「不登校の子どもにボランティアで教える機会があり、自分が会社勤めの時にされて嫌だったアドバイスや励ましといった行為は絶対にするまい、と決めた」。
同じ目線に立って接することで、子供たちが心を開いてくれた。「この子たちには、言葉で答えを引き出そうとせず、自然に言葉が出てくる場が必要」と考え、遊び場の提供のため、自宅でフリースクールを始めたのが1990年。
現在は千葉市にある「おゆみ野の森」で毎週木曜、野外でのフリースクールを主催する。他のフリースクールの相談役兼助っ人として、また、千葉市のフリースクールや夜間中学、日本語学校、不登校親の会が連携して作る「千葉市教育機会確保の会」の代表も務める。
更には、オルタナティブ教育、ホームスクールなどの「多様な教育を推進するためのネットワーク(通称おるたネット)」の代表を務めながら、学校に通っていない子供たちへの理解を深め、その環境改善と保護者の負担軽減のために精力的に活動を続けている。
「後に大検や通信制高校を経て大学に進学し、大学の勉強が楽しいと語る子が多い。子どもが誰に言われるわけでもないのにやりたがることの中に、その子の天職につながるものが含まれている」と、古山さんは話してくれた。
▽「千葉市教育機会確保の会」ホームページ
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14.5歳までは十分遊びこむことが大事」と古山さん