防災対策にもっと女性の視点を!

ふれあい あごら

 内閣府の昨年12月時点での調査によれば、全国の自治体の防災・危機管理部局に配置されている女性職員は、1割程度に留まっているという結果が発表された。

 全国平均は、12.3㌫(前年11.1㌫)で、最高は岩手県の22.5㌫、最低は島根県の0㌫だという。では、千葉県の現状はどうだろうか。千葉県防災危機管理部における女性職員の割合は、近年10㌫前後で推移しており、県内では女性ゼロが35市町村もある。

 また、地域防災計画の作成を担う「地方防災会議」の女性委員は1580人中213人と13.5㌫であった。国は令和7年度迄に女性の割合を30㌫とすることを目指しており、現状からみて達成は困難であろう。

 今年の元旦、能登半島を襲った大地震での教訓から、現在はどの自治体も避難所運営や備蓄品等の見直しが図られていると聞く。超高齢化社会に向けて、私たちは有事の際の対策に、より積極的な女性の視点での取り組みが必要なのではないだろうか。

 市川市では市の女性職員による防災女性プロジェクト、通称BJプロジェクトが平成28年に結成され、これまで様々な提言を行ってきた。具体的な例としては、避難所の仮設トイレを従来のテント式から、夜でも中の人影が映らず出入りがしやすいパネル式へ変更、簡易ベッドは段ボールの組み立て式から簡単に設置できる布製の折り畳み式に変更された。

 また、備蓄品に、プライベートテントが入り、着替えや授乳時に活用されている。その他以前はなかった物資として、生理用品、乳幼児用の粉ミルクや液体ミルク、紙オムツが整備された。おすすめアイテム等の防災情報を記載した「手ぬぐい」や、保護者と子どものための「防災安心カード」も作成。親子で知って欲しい防災豆知識や家族の連絡先やアレルギーなどの健康状態を書き込むことが出来、折り畳んで持ち運べるパーソナルカードとなっている。 しかし、まだまだ課題は多い。避難所では、一般の方のスペースとは別に、要配慮者である妊産婦、乳幼児、障がいのある方等が使用できる福祉避難室の拡充が急務であり、キッズスペースも欲しい。今後は女性への暴力、セクハラ防止への安全対策や、LGBTQ+の方の対応もふまえ、より福祉的視点が重要になる。女性のきめ細やかな視点やアイディアが益々望まれている。自分や家族の命を守るため、地域での女性活躍に期待したい。(市川市議  石原みさ子)

 ※写真提供=市川地域防災課