増える不登校の子どもたち 家庭へのニーズ調査を !
『不登校応援ガイドブック』
不登校の小中学生が増えている。2021年文科省の調査によれば、全国で不登校児童生徒数は、24万4940人となり、9年連続の増加、過去最多となった。小学生では70人に一人、中学生では、20人に一人の割合である。統計上は、全国のどの学校にも、中学ではどのクラスでも、不登校の子どもは存在していることになる。千葉県も同様の状況だ。
そのような大きな社会問題を抱え、政府は不登校の子ども達が学ぶ機会を確保できるよう、2016年、初の不登校児童生徒に関する法律「義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律」(通称、教育機会確保法)を制定。不登校は、どの子どもでも起こり得ることで、問題行動に当たらない。休養の必要性を踏まえ、必要な情報提供、助言、支援を行う。学校復帰をゴールとするのではなく、社会的に自立することを目指す。個々の状況に応じた必要な支援が行われるようにする。安心して教育を受けられるよう、学校の環境整備を図る。
また、学校以外の場、民間フリースクール等で活動している子どもたちの増加により、学校だけではなく民間団体との連携を強化し、相談体制の整備に努める等、これまでの一般的な概念は、変化した。
しかしながら現在、子どもたちの第3の居場所となるフリースクールの不足、不登校の子を持つ親が悩みを分かち合える「親の会」が少ないこと、平均して月謝3万3000円のフリースクールに通うのに、国からの補助が全くないこと等から、その対応は充分とは言えない状況にある。
不登校は、病気や経済的理由によるものを除く、年間30日以上の欠席者をさすが、先の文科省調査では、55㌫が90日以上欠席している。不登校は、低年齢化、長期化の傾向にあり、その支援は急務だ。そして、最も深刻だと思うのは、学校内外で相談、指導を受けていない人数である。国の統計(2021年度)では、小中あわせて34.3㌫、約8万4000人以上にのぼる。
不登校の子やその保護者は、まわりから理解されにくく、孤立しがちだ。そのような親子へ必要な支援が届くよう、学校、教育相談センター、民間との連携強化は勿論、政治の力が益々重要になっている。子どもたちが安心、安全に過ごせる学習の場の整備が急がれる。
この度、クラウドファンディングにより作成された「不登校応援ガイドブック」が改定された。この冊子は、不登校の子を持つ親たちが取材をして、千葉県北西部にある、お薦めの居場所を紹介したもの。市川市では、公共図書館、各学校にも置かれている。どうぞおおいに活用を!
▽問☏09048461496(不登校親子応援ねっと事務局 カゲヤマ)。
(市川市議 石原みさ子)