DRリポート199

医療最前線Drリポート

生涯にわたるお口の健康を管理しましょう

―健やかな高齢期とオーラルフレイル―

日本大学松戸歯学部 附属病院長

有床義歯補綴学講座教授 河相 安彦先生

日本大学松戸歯学部付属病院では、乳幼児期・学童期の育成期から、成人期を経て、高齢期にかけて連続したお口の健康管理が、全身の健康のみならず、生涯の「生活の質」を高め維持するために重要である、という視点で医療サービスを展開しています。

 では、育成期から成人期にかけてお口の管理を丁寧にすることで、高齢期の健康へどのような影響を与えるのでしょうか。

フレイルの早期発見と対応

 最近、報道で「フレイル」という言葉を耳にする方も多いと思います。フレイルは日本老年医学会が2014年に提唱した概念で、「Frailty(虚弱)」の日本語訳です。

健康な状態と要介護状態の中間に位置し、身体的機能や認知機能の低下が見られる状態を指します。

 ここで注視すべきはフレイルの時に適切な対応をとれば要介護状態に進まずにすむ可能性があるという点です。そのためフレイルの早期発見と対応が非常に重要です。

オーラルフレイルとフレイル

 同じく「オーラルフレイル」ですが、これは単なる「歯」の病気ではなく「お口の虚弱」を指しています。オーラルフレイルとフレイルは互いに影響を及ぼしていることが分かっており、オーラルフレイルを早期に発見し、対応することは、全身のフレイルも早期に発見し、要介護状態に移行する可能性のある人の予防につながります。

 オーラルフレイルの進行は、噛む機能や、しゃべる機能。飲み込むなどのお口の機能が低下して、人との会食を避けがちとなり、低栄養につながります。また家族と異なる食事を取らなければならないなど「生活の質」が低下します。

 オーラルフレイルは「歳を取ったこと」 が原因というより、子どもの頃からお口の機能を向上させ低下を予防すること、また、生涯を通じてお口の病気があればしっかり治療して、歯を失い噛む機能などの低下に対応するという、お口の健康管理をすることで予防できます。

 つまり高齢期のオーラルフレイルやフレイルは、子どものころから、一生涯かけてしっかりとお口の健康を維持する、お口の病気を持った時は治療することが重要だということです。自分で気付く前から早期に発見して先駆けて予防や治療に努める意味から、「先制歯科医療」とも言えるでしょう。

 あなたの「お口の機能」は7項目の簡単な検査で、確認することができます。次回はその検査についてご説明します。

■日本大学松戸歯学部庶務課

☎047・360・9567。

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