失敗すること。子どもの権利

子どもの広場 ゆうび

 明くん(小3)と未くん(小1)の最近のブームは『飴作り』。台所で鍋を火にかけ、砂糖を溶かし、べっ甲飴を作るのです。二人が台所で火を使う場合は大人を付けるように言ってあるので、スタッフの潤さんを呼び、クッキングスタートです(カッコ内はよくあるであろう大人の叫び)。  


 まず明くんが鍋を「これでいっか」と取り出します(その鍋、大きすぎ!もっと小さいのにしたら?)。その鍋に未くんが砂糖をドバドバ入れます(砂糖そんなに入れるの⁉こぼれてるよ!)。明くんが鍋を火にかけ、水を入れます(水入れすぎ!ちゃんと鍋持ってよ)。「さとうたりないかなー」と未くんが砂糖を更に足します(どれだけ砂糖使うの?これ全部食べたらすごい摂取量だよ~)。鍋の中の飴がぐつぐつ言い始めました(ちゃんとかき混ぜないと焦げるよ!)。そこに別の子が来て、鍋をのぞき込もうとコンロの近くのイスの上に立とうとしました。潤さんは「それは危ない」と口を出しました。ずっと見ていた潤さんが口を出したのは、その一度だけです。


 子どもの料理は確かに突っ込みどころ満載です。想像するだけでカッコ内の言葉が口を突いて出てしまいそうですね。でも、ゆうびでは子どもがやっていることに対し、大人はほとんど口を出しません。相談されたらアドバイスを少し、くらい。「自分で考え、やってみて、結果を受け止める」。それは子どもの成長過程でとても大切なステップです。子どもは外界に対し、試行錯誤を繰り返し、自分の中の指針を得るのです。大抵、大人は子どもの自由にさせていると思っていますが、それは大人が思う、許容された範囲内での自由。とんでもない失敗や無駄はないよう、統制されています。   


 「失敗もまた子どもの権利」という言葉があります。大きな危険は防ぐ必要がありますが、多少やけどしたり、おいしくない物が出来たり、鍋が焦げ付くくらいは全然構わない。子どもはそれを失敗とも思っていないかもしれません。大人が子どものためにできる唯一のことは、先回りせず、ぐっとこらえて黙っていることだけです。


☎04・7146・3501 FAX同7147・1491(NPOゆうび小さな学園 杉山麻理江)