行きたいけど、行きたくない

子どもの広場 ゆうび

 千ちゃん(小2)、小1の途中から学校への行き渋りがあり、今は完全に不登校。たまに放課後、先生に会いに行き、おしゃべりをしたり宿題に丸付けしてもらったりするのは楽しい。


 あるとき、先生に「街探検」に誘われた。学校周辺の街に出るフィールドワークで、現地集合・解散で構わないと言う。千ちゃんのなじみのある施設などを訪問するとのことで、興味が湧いた。街探検の日が近づき、千ちゃんのお母さんが行くかどうか聞くと、千ちゃんは迷っている。


◆→千ちゃん ◇→お母さん
◆「行きたい気持ちもあるし、行きたくない気持ちもある」
◇「それぞれの気持ちの中身はどんなのかな?」
◆「う~ん、わかんない。行きたくない気持ちの中身は、『久しぶりで緊張するなー』とか」
◇「先生に誘われたから行こうかなとかもあるの?」
◆「そう、それ。でも『やっぱり行きませんって言っていいのかな』とか。行かないにしても不安が残る」
◇「また今度、これは行きたいと思う機会に行ったら?」
◆「そういう時がくるのかなー。今回も行きたいとも思うけど…」
◇「行きたい気持ちと行きたくない気持ちが戦ってるんだね」
◆「戦ってはいない。二つの気持ちが混ざり合ってるの」


 彼女の言葉から不登校生の微妙な心情がよく見てとれます。学校に行く・行かない、行事だけ行く・行かない、放課後は行く・行かないなど。一口に不登校と言ってもさまざまなパターンがあり、学校も柔軟に対応してくれるようになっています。だからこそ本人が選択を迫られる機会は多く、その度に迷い、葛藤しています。周囲の大人はその葛藤をゆっくり見守ること、そしてどんな選択をしたとしても喜んだり、がっかりしたりせず本人の決めたことを淡々と受け入れることです。


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