行楽の秋。学校の課外活動も盛んな時期です。宣君(小3)は先日学校のバス遠足に参加しました。たのしんで帰ってきて何よりでしたが、宣君のお母さんが驚いたことがあります。遠足当日の学校からの一斉メールについてです。今は学校からの連絡事項は大体一斉メールで送信されます。迅速に情報を流せて、便利な時代になりました。
お母さんが宣君を送り出して間もなく、学校から3年生の全保護者に向けたメールで「無事〇〇公園に向けバスが出発しました。お弁当の用意などご協力ありがとうございました」との連絡。まあ、ご丁寧にと宣君のお母さんは思ったそうですが、その後続々と「今無事に目的地に着きました」、「集合写真を撮り終え待ちに待ったアスレチックをします」、「お弁当をペロっとたいらげ、これから工作タイムです」等々のメールが。最終的に帰着の報告含め6通のメールが来て閉口したそうです。内容から、引率の先生が送っていると思われますが、課外活動という貴重な現場で、なぜ先生は保護者に向けてメールを打たなければならないのか。私が親なら、そんなことはいいからせっかくの遠足、子どもたちとめいっぱい接して、たのしんでほしいと思います。安全にも気を配らなければならない中、このような業務まで負わされている先生がなんだか不憫でなりません。
しかし先生に、学校に、このような過剰サービスともいうべき業務をさせているのは、保護者でもあります。スマホで便利になった分「もっと子どもの様子が知りたい」「学校からの情報が少ない」等の声は多いのだと思います。心配もわかりますが、子どもは、親のいないところで失敗したりいろいろ経験しながら成長するものです。全てを把握するのは不可能だし、その必要もありません。親は「今頃なにしてるかな」と思いを馳せつつ黙って『待つ』。いつか子離れするための大事な一歩です。そして、一斉メールでわが子の様子を把握した気にならず、帰ってきた子どもの顔をよく見てお土産話しを「うんうん」とよく聞いてあげることが何より大事ではないでしょうか。
☎04・7146・3501 NPOゆうび小さな学園 杉山麻理江