何年経っても変わらない

子どもの広場 ゆうび

 先日「二十歳を祝う会」が催されました。例年だと年明けに行う会ですが、緊急事態宣言を受け延期されていました。対策を講じ規模を縮小して実施しました。当日は二十歳を迎えた6名全員が出席し、スーツや晴れ着姿で壇上に上がりました。 


 まずは二十歳を迎えた方々からの言葉ということで一人ひとりが、二十歳を迎えた感想、近況、今後の夢などについて語りました。その言葉をほほえましく聴きながら、私はふと不思議な感覚におそわれました。なんだか以前も同じ場面を見たことがあるような…。それは5年前の「15の春を祝う会」の場面でした。今日と全く同じメンバーが中学卒業年齢を祝う会で、同じく挨拶をしていたのでした。真っ先に感じたのは「みんな変わっていない!」という驚きでした。決して彼らが成長していないとかいうことではありません。それぞれの持っている個性というのか特性というのか、とにかく人間の本質のようなものが同じ様に在り続けている。お調子者の子、かっこつけの子、思慮深い子、マイペースな子…。5年の間に様々な経験をし、変わったことはもちろん沢山あるでしょう。就職して悩んだ末、離職した子もいます。大学を中退した子もいます。私の知らない苦しみ、悩みもあるでしょう。それでも本質的な「らしさ」のようなものが、5年の時を経てもなお、にじみ、輝いていることに、人間の不思議を感じました。

◆ひとりの子の母親からの挨拶「大人の世界へようこそ。大人は楽しい。自分のことを自分で決められる大人を楽しんでください。大人としてしっかりしなくてはと焦ることはありません。ゆっくり大人になってください。自分のできないことは他の人に助けてもらってください。自分のできることで、余裕のあるときは他の人を助けてあげてください。大人だってそうやって生きているのです…」。二十歳になったからといって別の立派な人間になるわけでない。むしろ今のままの自分を愛して人生を歩んでいってもらいたい。彼らの輝きをこれから先5年後、10年後も見続けたいです。


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