いよいよ夏休み。年々暑さが厳しくなり外に出るのも一苦労ですが、それでも自然にふれる絶好の機会でもあります。そこで夏休み企画として、子どもたちのアイドルともいえる身近な昆虫をいくつかピックアップして紹介します。もちろんその筆頭は何と言ってもカブトムシとクワガタムシの仲間でしょう。ただこれらについては参考図書が山ほどあるので今回は割愛します。
まずはタマムシ(ヤマトタマムシ)。身体は緑色で2本の赤い縦帯があり、光の当たり具合によってキラキラ輝く美しい昆虫です。珍しいものではないのですが、エノキやサクラなど大木の高いところを飛びまわるため、なかなかその姿を拝むことはできません。メスは朽ち木に卵を産むため、運がよければ朽ち木のそばで出会えるかもしれません。
トンボの仲間の人気ツートップとも言えるのがオニヤンマとギンヤンマ。この2種類は住んでいる環境がちがうので、出会うためにはそれを知っておく必要があります。
まずギンヤンマは公園の池や、広い水田地帯の真ん中にあるような大きな水路など、日当たりがよく開けた水面のある場所が大好きです。なかなかとまってくれませんが、なわばりがあるので、だいたい同じような範囲を行ったり来たりしています。一方のオニヤンマは雑木林の縁を流れる水路や、木立に囲まれた沼などにいます。わりとよくとまるので、ギンヤンマよりは観察しやすいです。
トノサマバッタやキリギリス(東葛地区はヒガシキリギリス)は、どちらもススキやオギなどイネ科植物がよく茂った日当たりのよい草むらに暮らしています。トノサマバッタはわりとどこにでもいますが、キリギリスを見つけるのは大変です。「ギュイーーーーーーッ・チョン」という独特の声で鳴くので、それで存在に気づくことは可能です。しかしとても敏感で、わずかな人の気配ですぐに逃げてしまうため、なかなかその姿を見ることができないのです。さらに近年は都市化の影響で数自体が少なくなってしまいました。
ここで紹介したほかにも身近な場所にはさまざまな昆虫が暮らしています。熱中症や事故に気をつけながら、ぜひいろんな発見を楽しんでくださいね。
わぴちゃん(岩槻秀明)プロフィール
気象予報士。自然科学系のライターとして植物や気象など自然にまつわる書籍の制作に携わり、著書は20冊以上におよぶ。 千葉県立関宿城博物館調査協力員、野田市史編さん委員会専門委員なども務める。宮城県生まれ野田市育ち。