東葛駅伝を走った選手たち- Vol.4 花牟礼隆太さん(松戸市立第五中学校出身)   

東葛駅伝
第69回東葛駅伝で4区を走った花牟礼さん

 第67回から第69回まで3年連続で東葛駅伝に出場した花牟礼さん。野球部に所属していた花牟礼さんが陸上競技を始めたのは野球部顧問の方針だった。はじめは「走らされている」という思いが先行したが、体力がついているのがわかってきて、走るのが楽しくなった。

 「東葛駅伝がきっかけで長距離種目に興味を持ち、野球から陸上にシフトしたと言っても過言ではありません。沿道には多くの方からの途切れることのない声援の連続で大きなパワーをもらいながら走ることができましたし、駅伝が好きになりました。楽しい思い出ばかりです」


◇中学3年時に800mで全国大会に出場

 3000mで全国大会を狙っていたが、思うような結果が出なかった。野球部の日頃の練習で鍛えた短距離にも自信があり、中学3年の市内大会で初めて800mに挑戦。そこで県中学総体の標準記録を突破し、「3000mよりも800mのほうが向いているかも」と良い感触をつかんだ。

2015年2月 松戸支部新人駅伝2区 区間賞

 県中学総体は予選、準決勝を通過し、決勝は2分00秒63で3位になり、全国標準記録(2分1秒00)を切ることができた。「狙っていたとはいえ、通算4本目の800mで全国大会に進出できるとは思わなかったので、とてもうれしかったです。全国大会(北海道)は予選敗退でしたが、普段はなかなか行けない北海道でワクワクして走ることができました」

◇日体大柏高校で陸上部主将
 中学時代の2学年上の高嶌凌也さんが日体大柏で活躍していたことと、陸上部からの勧誘もあり、日体大柏へ行くことを決意した。

2018年5月20日 千葉県高校総体800m決勝

 高校入学後は中距離種目に専念し、800mは高校2年時と3年時の2年連続で南関東大会に進出。高校3年時は主将を務めた。県総体は1500mで優勝し、800mの2種目で全国大会を目指したが、南関東大会のレベルは高く全国大会には進出できなかった。「最大の目標を達成することができず落ち込みましたが、主将としてチームの士気を落としてばかりはいられないと考え、駅伝で関東大会進出を目指すように気持ちを切り替えました。千葉県高校駅伝は、チームに5000mの持ちタイムが14分台の選手が1人もいない中で臨みました。全員が最大限の力を出し切り、関東大会に進出できたのは、達成感が大きかったです」

2018年11月 関東高校駅伝2区(埼玉)

◇長距離選手の黄金世代が揃う東海大へ進学

 当時、東海大は黄金世代と呼ばれていた大学長距離を牽引する選手が多くいたことから「その中でやってみたい」と思い進学を決意。

2022年関東インカレ1部男子800m予選(大学4年時)

 「大学では長距離ブロックに所属しましたが、自分自身は中距離種目に専念して、駅伝を支える側に回りたいと考え、箱根駅伝を走りたいという気持ちはなかったです」

 大学入学直後は良い記録を出せたものの、それ以降は卒業するまで不調が続いた。

 「体調を崩すことが多く、一緒に練習している選手たちが活躍しているのを見てナイーブになった時期が長かったです。好記録を出せなかった面では不完全燃焼でしたが、すごい実力を持ったメンバーと練習できていることが幸せだと感じるようになってからは、気負うことはなくなりました。苦しい思い出ばかりではなく、ペースメーカーを何度かやらせてもらい多くの記録をアシストできたのは陸上競技を続けていてよかったと思えました」

◇子どもたちの学びを助け、松戸市の発展に尽力

 現在は、松戸市教育委員会に勤務し、学校教育を支える業務を担当している。

 「児童生徒が障がいの有無関係なしに、心地よく学校教育が受けられるような環境づくりを目指しています。未来ある松戸市の子ども達のためによく考え、実行する業務を心がけます。松戸市はスポーツが盛んだとよく耳にしますが、文化事業にも力を入れています。花火大会やさくら祭りなど魅力あるイベントが多くありますので、ぜひ松戸市に足を運んでみてください!」

(取材・写真=さとる)