新型コロナウイルスの流行は、失業者、新卒で就職できない人などを増加させ、全国的に見ても人々の就労に大きな影響を与えている。このような厳しい時代に、救世主のような就労移行支援事業所がある。それが、テイクハート我孫子だ。
ここは、国の障害福祉サービスのひとつで、精神・発達・知的・難病といった障害を持っている人を対象とした、一般企業等への就労を希望する人をサポートする場所だ。平成30年11月の開所以来、地方公共団体、医療・福祉施設、保険会社、一般小売店など20名もの一般就職者を輩出している。
施設長の小野浩信さんは「障害を持っている人が自宅へ引きこもるのではなく、積極的に地域社会へ出て仕事に就いてもらうお手伝いをしています」と語る。利用者は、毎朝10時に来て15時に帰る(時間は自由に決められる)。生活習慣の改善、P検定(パソコン)や秘書検、英検などの資格を要するテキストや教材は「無料」で貸与。受験料については「補助あり」で取得することができ、利用者のスキルアップにつながっている。
また、カウンセラーによる心のサポートなどメンタルについてもきっちりフォローしてくれる点も安心だ。
毎日、参加自由のプログラムがあり、模擬面接、履歴書作成、ビジネスメールの書き方など直接就労に必要なものから、アロマ講座、映画鑑賞、陶芸など趣味的な講座も用意されている。休み時間には、利用者同士、和気あいあいとした雰囲気で好きなスポーツやアニメ、芸能人の話題で話が弾む。
事業所では、プログラムの参加は強要されず、You Tubeで好きな動画を見たり、読書をしたり自由に自分時間を過ごすこともできる。
テイクハート我孫子の卒業生で現在は、特別支援学校の技能員として働いているFKさん(52歳)は「ここに通ったおかげで就職できました。一番良かったことは、人との出会いがあったことです。とにかくスタッフが親切ですし、実際の面接に同行してくれて、安心できました」と笑顔で語ってくれた。利用者は、18~65歳までと幅広い。
事業所内は、アットホームな雰囲気でお茶も自由に飲め、お昼のお弁当も無料。料金がかかるとしたら交通費だけというありがたさ。交通費も自治体によっては援助費が支援される。
興味のある人には、スタッフが丁寧に対応してくれる見学、体験も有り。本人・または配偶者に所得がない場合、利用料は無料だ。所得に応じて、利用料の一部を負担してもらう場合もあるが、約9割の人は無料で利用している。詳しくはお問合せを。(取材・文=高井さつき)
■テイクハート我孫子 就労移行支援事業所
我孫子市本町2‐2‐10三共関東ビル3F
☎04・7196・7035