「齊藤知子 織物展」

ちば湾岸エリア

―暮らしの中で輝く作品を― 習志野市  カフェパパ

京成線大久保駅から徒歩1分、カフェ付きレンタルスペース「アートスペースカフェパパ」で21日(金)~23日(日)、自らを「手織工」と呼ぶ、齊藤知子さん(46)の「織物展」が開催される。

今回の展示では、ポーチ、バッグ、マフラーなど、普段の暮らしの中で使う作品を中心に50点ほどを展示、販売する。

「齊藤さんの作品は、数学的な緻密さが魅力。それでいて、楽しんで作っている感じが伝わってくる。モダンな帯などは着物の組み合わせを考えるのが楽しい。その良さは、実際に使ってこそわかるんです」と、「カフェパパ」オーナー夫人、和泉めぐみさん。

「布だけだと箪笥の奥にしまわれてしまう。使ってもらえるようにバッグなどに仕立てて展示している」と、齊藤さん。

糸を染め、(はた)を織り、それぞれの布の風合いに合うように洗いの作業をし、作品に仕立てる。一連の作業は全て自ら行う。「個展に長い間使った作品を持って来て下さるお客様もいる。眺めるだけではなく、ボロボロになるまで使ってくれたらうれしいです」。

染織との出合いは高校時代。着物デザイナーで収集家の池田重子さんの展覧会を見て「アンティーク着物に興味を持った」。その後短大の織工芸コースに進み、卒業後は黄八丈の織り子として5年半勤め、2004年からは長南町の自宅工房で染織の制作を開始。「糸選びから、手探りで織り進めた」という『八寸名古屋帯・花房』が第93回「国展」で『工芸部新人賞』を受賞。他にも多数の入選経験を持つ実力派の作家だが、「染織」という仕事を「特別なものでなく、あくまで普通の職業としてこれからも続けていきたい」と謙虚に語り、その姿勢は作品にも表れている。

秋のひととき、暮らしの中でこそキラリと光る手織り作品との出合いを楽しんでみては。

齋藤さんとカフェパパの和泉さん(右側)

▽「アートスペースカフェパパ」10時~17時(最終日は~16時)。習志野市本大久保2-10-29 コスタボダハウス1F。

▽問☎047・477・7568。

齋藤さんとカフェパパの和泉さん(右側)