治る身体をとりもどす
人生を楽しみ、コミュニティに生きる
「こざと整骨院」院長
中川周史(なかがわちかし)さん
市川市
「壁に踵をぴったり付けて、自然に立ってください。頭が壁から少しだけ離れていますね。普通は頭も壁に付くのです」。これは柔道整復師で整骨院院長の中川周史(なかがわちかし)(50)さんの言葉だ。
根本的な原因である「姿勢」にアプローチして将来を元気に過ごすための「予防」までを見越した治療をするのがモットーだ。中川さんは外面的な姿を観察するだけでなく、痛みとの向き合い方も大切にしている。
ある時、患者さん同志の何気ない会話が耳に入った。「腰はよくなったが、肩はもう一生もんだ」。患者さんはもう治らないものとあきらめている。これを聞いてカラダ全体として治っていないということに着目、「治るということ」を追究し始める。
「痛みや不調を一時的に抑え込むのではなく、私たちに備わった自然治癒力に注目。人は自分で回復することの出来る素晴らしい身体をいただいている」と中川さん。この業界に入るきっかけは、ずっと続けていた「空手」。手で組み合う「空手」から手で治す「治療」へと移行していく。
患者さんの感想として、「姿勢が良くなり、頻繁にあった頭痛もほぼなくなった」。(60代女性)。
「首が痛いのが徐々に緩和してきて、治りました。局所的な痛みの改善以上に身体の調子が整った」。(40代女性)。
予防については「ひとり過ごすお年寄りや楽しく過ごせない人もいる。そういう方々を応援する場を作りたい。そこまで出来てこそ治療。人は何が幸せかをいつも考えている」。楽しみや生きがいを見つけることが大切だと話す。
毎週日曜は地域の仲間と畑で野菜作りをしている。このこともコミュニティを育てる一環だ。新しく建て替えた「こざと整骨院」の建物には2階にフリースペースを設けた。子どものアート集団やスティールパン教室などを行っている。「この場は次世代に繋がるコミュニティの場となるよう、活用したい」と構想を話してくれた。
●次回は「お惣菜カフェ オンタイム」を経営する太田尋子さんにバトンを渡します。