私は、シンガーソングライター以外に、表現教育指導という仕事もしています。
子どもたちが生きていく上で必要な力を、お芝居や音楽などの表現を通じて教える。そんな仕事です。子どもたちが自分の言葉で、自分自身を自由に表現できるようなお手伝いができればと思っています。
その指導の中で『準備しない』という指導指針があります。子どもたちが授業で必要とする道具、椅子、机などを準備しないのです。子どもたちが必要なものは、自分たちで準備する。大人が準備し、お膳立てしてしまえば早いのですが、できる限り手を出さないようにしています。
そして。少しずつですが、自分の子どもにも『準備しない』を始めました。
習い事のプールのお着替え。自分でロッカーを選び、服を脱ぎ、服をたたみ、水着に着替え、帽子を被り、ファイルとタオルを袋にしまい、ロッカーの鍵をかけ、待機室に向かう。
手を出したい!と思う部分はたくさんあります。まだ、着替えで難しいところ、たたみ忘れ、うまく袋に入れられないなど。でも、我慢です。
ここで手を出して、彼女が失敗して、できるようになるまでの機会を奪ってはいけない…。
ぐぬぬぬ…!と思いながら、耐えています。
一生そばには居てあげられないので、ひとつひとつ。