5年ぶりの大祭開催

ちば湾岸エリア

小栗原稲荷神社大祭(おぐりはらいなり)

10月15日(日)

       船橋市

 4年に一度の小栗原稲荷神社大祭が10月15日(日)に開催されることになった。(宵宮は14日)。この神社はJR下総中山駅近く、国道14号線から少し北へ入ったところにある。今回の大祭はコロナ禍で延期になっていたものだが、200年続く伝統ある祭だ。ここはかつて、千葉氏一族の支城、小栗原城のあったところ。境内のクスノキの大木は悠久の時間を感じさせ、神社の裏側には狐塚もある。

 大祭当日、大人が担ぐ大神輿は小栗原小学校を13時に出発、JR下総中山駅へ向かい、その後法華経寺の黒門へ。折り返してJR下総中山駅へ16時40分頃到着。約300人の担ぎ手が協力する。

一番の見どころは16時40分から17時30分までに予定されているJR下総中山駅前ロータリーでの揺すり込み。大人が担ぐ大神輿の他に子どもたちが担ぐ中神輿を大きく揺らし、その熱狂と興奮は最高潮に達する。

神輿を揺らすのは「魂振り(たまふり)」といい祭神に活力を与え、霊威を高めることで、豊作や豊漁、疫病の退散になるとされている。子どもたちによる山車は本中山や二子町を引き廻される。

 JR下総中山駅北口通りでクリーニング店を営む大祭実行委員長の三輪勝治さん(81)に今年の大祭への思いを伺った。「神輿は16歳から担いでいる。当時、祭りは10月19日と決まっていて、商店街はすべて休み、町のみんなが担いでいた。前回は2018年に開催。1年延期になり、5年ぶりの大祭だ。小栗原小学校で9時30分から子ども和太鼓の高野太鼓が演奏を始める。これも見せ場のひとつで大祭を盛り上げてくれる」とにこやかに語ってくれた。

 小栗原稲荷神社すぐ近くで米店、藤井商店を営む藤井秀明さん(70代)は2018年の大祭の写真を見せてくれた。黄金色に輝く鳳凰を乗せた大神輿、それを担いでいる白袢纏に身を包んだ人々の息づかいまでもが聞こえてくるようだ。祭りを見守り続けてきた藤井さんは「歴史を感じるこの町に住まう人々の祭りに込める思いが、他では見ることがない豪華な大神輿に結集されている」と話してくれた。