セルフエフィカシーを高めましょう 

自分のペースでだいじょうぶ

Q.最近、自己効力感や自己肯定感という言葉を耳にしますが、どんなものなのでしょうか?(40歳女性)

A.「自己効力感」は、心理学用語で「セルフエフィカシー、self-efficacy」と言われます。似たような言葉に「自己肯定感」があります。これは、自己を尊重し自分の価値を感じ、自分の存在を肯定できる力のこと。一方、「セルフエフィカシー(自己効力感)」は、自分を信じて、実際に「行動に起こせる力」のことです。
 今日は、「セルフエフィカシー(自己効力感)」を高めたいという人に向けて、その高め方を4つご紹介したいと思います。

①「成功体験による高め方」。小さなことでもチャレンジしてみて、それができたという成功した事を思い出す。

②「代理体験による高め方」。○○さんが成功したから(好きなスポーツ選手など)自分にもできるかも、と誰かの成功に乗ってみる。

③「言葉の説得による高め方」。他人から「こうすればできるはず」「あなたならきっとできる」と励まされてその気になる。

④「生理的情緒的喚起による高め方」。ちょっとこれは言葉が難しいですが、簡単に言うと「自分の体調(生理的情緒的)を整えましょう」ということです。食事、睡眠、健康が基本ですね。

 最近は、自分はうつだと感じる子どもが増えているそうです。今やスクールカウンセラーが小学校に配置される時代。子どもたちも「セルフエフィカシー(自己効力感)」を身につけることが大切なのです。
 普段の生活では、自己効力感の高め方など考えないと思います。けれど、気持ちが沈んでいるとき、少しのこころがけで高まり、気持ちが楽になることがあるのです。
 一つの提案ですが、紙に書きだすのはどうでしょうか。これは、認知行動療法やメタ認知など他の行動療法などでも行いますが、一週間を振り返って「自分の気持ちが落ち込んだ時」「楽しかった、うれしかった時」「やってみたいと思ったこと」などを書き出すことで、自分の気持ちの整理がつきます。そして、大切なことは常にそのノートを見直すこと。
 よく、受験などで自分の部屋の壁に「○○大学、合格!」などと書いたりしますよね。それと同じように、自分の目につくところに書いたものを貼っておくのもいい方法かもしれません。

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