もっと身近に、メンタルクリニック

自分のペースでだいじょうぶ

Q.私は最近、気持ちがふさぎがちです。ネットでメンタルのことなど調べてみたのですが、ちょっとしたうつのような気がします。けれど、メンタルクリニックや精神科に行く勇気がありません。クリニックに行っていることが、周りの人に知られてしまうのがいやです。(20代女性)


A.日本での精神疾患者の歴史は、ひどいものでした。70年ほど前、座敷牢といって施錠した自宅の部屋に精神疾患の家族を閉じ込めていたほどです。


 また、重い精神疾患者を精神分裂病と呼んでいましたが、2002年に統合失調症という名称にかわり、人々の意識も精神病=暗いイメージから脱却していったようです。


 今はどうでしょうか?昔に比べると精神科やメンタルクリニックへのハードルも少しは下がってきたのではないでしょうか。日本では、こころの病で通院や入院をしている人は、総人口の30人に1人の割合です。


 カウンセリング大国・アメリカでは、5人に1人が精神疾患を経験しているということからもわかるように、メンタルクリニックなどが日本に比べて身近に存在しているということになります。アメリカの映画を観ると主人公が、カウンセリングを受けているシーンをよく見かけますよね。


 「うつはこころの風邪」といわれているように、だれでもかかる可能性があります。こころの風邪は、熱が出るとかお腹が痛いとか身体的にはっきりとした症状がでるわけではないので、見過ごされがちです。


 少し自分の気分を観察してみましょう。2週間、こころがふさぐ、眠れない、食欲がないなどの症状があれば、メンタルクリニックの門をたたいてみることをおすすめします。気持ち的には、お悩み相談室へいくような気分でしょうか。


 そして、診療の際は医師または、カウンセラーに今の自分の気持ちを正直に伝えることです。初対面の人にすべてを話すことは無理でも、一つだけ重りとなっている出来事を話してみましょう。専門家と対話をすることで、あなたの沈んだ気持ちが、明るさをとりもどしていくはずです。


 周りの人には、敢えてクリニックへ行っていることを話す必要はないと思います。もし、知られてしまっても、そのことで引け目を感じることなく、「こころの風邪で…」と言ってみるのはどうでしょうか。


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