Q.私は、生まれも育ちも都心の商業地といわれる所です。周りはお店や住宅ばかり。自然とは程遠い暮らしです。最近、病気になったことをきっかけに友人が山や海などの自然に触れることを勧めてくれました。自然に触れることは本当に身体にいいのでしょうか?(30代女性)
A.今はあまり聞かれなくなりましたが、以前はサナトリウムという施設がありました。これは、高原、林間、海岸などにあり新鮮な空気と日光を取り入れた結核などの治療をする場所です。
サナトリウムの例からも山や海などの自然に触れることは、私たちの心や身体をリラックスさせてくれるのではないでしょうか。自宅でも、ガーデニングなど草花に触れると癒しの気分になれると思います。
「森林浴」という言葉がありますが、「森林療法」も自然を好む人たちから聞く言葉です。森や林には酸素やマイナス・イオンも多くて気持ちが落ち着きます。
「森林療法」には、
①ストレスホルモンの減少(森林浴によって、唾液中のコルチゾールというストレスホルモンが減少)②リラックス効果(森林浴で副交感神経が優位になる)
③ナチュラルキラー細胞が活性化(ガン細胞などを撃退する細胞の動きが盛んになる)などの効果があります。
このように心が癒され身体全体が健康になること、深いリラックスを得ること、明るく前向きになることを「ホリスティック」(ギリシャ語holosが語源で全体、バランス、つながりを意味する)と言います。
スマホやパソコンの時間を減らしデジタル・デトックスをする、オーガニック素材の服を身に着ける、地産地消の食材を取り入れたりすることも「ホリスティックな暮らし」と言えるでしょう。
「ホリスティックな暮らし」と聞けば、なんだか難しいように思えますが、自然の中以外でももちろん体験できます。都心のマンションの部屋に観葉植物を置く、切り花を生けるだけでも気持ちが安らぎます。また、いつも使っている陶器のお皿ではなく、木のお皿に変えてみるだけで、自然を感じ心が温かくなるのではないでしょうか。
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