隠れ家のような和菓子店「お菓子工房 梛(なぎ)」は印旛沼のほとりにひっそりと佇む。店主の小那木美恵さんは、茶道の先生とのご縁がきっかけで2年半前に店を開いた。営業は木曜から土曜の10時から15時まで。
印西市のあじさい通り沿い、小さな矢印看板を頼りに路地を入ると駐車場が現れる。そこから少し坂を下ると、白い看板と赤い幟が目印の愛らしいお店が見えてくる。
幼い頃からお菓子作りに親しんできた小那木さんは、もともと洋菓子を得意としていたが、和菓子の奥深さに魅了され、老舗和菓子店で2年半の修行を積んで自身の店「お菓子工房 梛」を開業。
その優しい味わいが口コミで広がり、今では開店前から行列ができるほどの人気店だ。開店と同時の10時には売り切れてしまうことも多いという。小那木さんが試行錯誤を重ねて完成させた台湾カステラは、ふわふわの食感と上品な甘さが魅力だ。口に入れるとしゅわっと生地がほどける、食べたら忘れられない、まさに自慢の一品である。
店先には、無添加にこだわった台湾カステラをはじめ、おまんじゅう、大福、これからの季節は求肥が腹に入った若鮎など、四季折々の和菓子が並ぶ。
中でも、愛らしい自家製「ひよこ」は、一羽一羽表情が異なり、その愛らしさに魅了される人が続出。10羽以上購入して帰る人もいるのだとか。
こだわりは、素材選びから。国産の生あんから自家製餡を練り上げるなど、手間暇を惜しまない。また、イギリスのNGS会長ダフネ・フォーシャムさんのレシピのキャロットケーキは、スパイスが効いた大人の味わいで、ここでしか味わえない、特別な一品だ。
無添加のお菓子は天候に左右されるが、遠方から訪れるお客様のために、豪雨や強風の日以外は休まず営業を続けている。夏季7月中旬から8月いっぱいは酷暑のためお休み。
家族の協力を得ながら、印旛沼を一望出来る美しい庭で、将来は喫茶も計画しているという。5月17日(土)18日(日)には、丹精込めて手入れした佐倉にある実家の庭にチャリティプライベートガーデンを開催する。問い合わせは小那木さんまで。足を運んでみてはいかがだろうか。
▽問☏090・3348・0791。(印西市師戸196)