今回ご紹介する作品は、安楽死を願う父と、戸惑いながらも向き合おうとする娘たちの涙とユーモアあふれる感動の物語です。
85歳の父アンドレが脳卒中で倒れたという報せを受け、病院へと駆け付けた娘のエマニュエル。父は意識を取り戻したが、身体の自由がきかないという現実を受け入れられず、安楽死を願う。日々のリハビリで順調に回復し、外に出かけて生きる喜びを取り戻したかのように見えたが、父は楽しい旅行の日を決めるかのように、娘たちにその日を告げる――。
『まぼろし』で知られる名匠フランソワ・オゾンと、『ラ・ブーム』で世界的スーパーアイドルとなったソフィー・マルソーがタッグを組み、人々に平等に訪れる死を巡り、家族の愛とは何かを問いかけます。 サスペンスフルなストーリーテリングを得意とするオゾンが、緊迫感に満ちた展開の先に用意した、想像を裏切る結末を、ぜひキネマ旬報シアターでご覧ください。
(富さや香)