4月9日から上映『椿の庭』

キネマ旬報シアターおススメシネマ
©2020 “The garden of Camellia” Film Partners

 今回ご紹介する映画は写真家 上田義彦初監督作品『椿の庭』です。
海を望む高台にある丹精された庭の一軒家。長年連れ添った夫に先立たれた絹子は孫娘の渚と二人で暮らしていた。東京に住む娘の陶子は年老いた母を気にかけ、東京のマンションで一緒に暮らそうと勧める。税理士からも相続税の問題で家を手放すように言われているが、絹子は家族の思い出が詰まった家を離れたくないと拒む――。

 絹子を演じるのは、紫綬褒章受章の日本映画界を代表する女優 富司純子。孫娘の渚には『新聞記者』で日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞したシム・ウンギョン。他にも鈴木京香、チャン・チェン、田辺誠一、清水綋治ら豪華俳優陣が集結しています。数多くの広告写真を手掛け、国内外で高い評価を得ている写真界の巨匠上田義彦。映画監督デビューとなるこの『椿の庭』では自ら脚本・撮影・編集も手掛け、構想から15年の歳月をかけた渾身の一作です。
 季節とともに咲いては枯れる花のように、人や家も変化していく。そんな命の美しさや儚さを描いた『椿の庭』、是非キネマ旬報シアターでご覧ください。
(大野健志郎)

『椿の庭』封切上映

キネマ旬報シアター
2021年4月9日㈮~23日㈮以降未定