柏が誇るアーティスト ホタルライトヒルズバンド〈後編〉

アッキーの柏は音楽の街だ!

 2017年、柏文化会館で開催されたワンマンライブ後にツインボーカルの一人、ゆうかが脱退。会場で涙していたファンも多い中、メンバーはどこか清々しく見えました。思えばあの瞬間がホタバン第二章の始まりだったのかもしれません。


 「とにかく純粋に音楽を楽しみたい」と、デビューから5年間、毎年アルバムを出し、ライブツアーで全国を回り、ホタバンの音楽が広く届き始めていましたが、どこかで初心を忘れかけ、もっと高みを目指すことに心を奪われていっていたそうです。


 良くも悪くも加速し続けていたことに気がづいたのが、この2017年頃。時にがむしゃらに突き進むことも必要、でもそこで周りが見えなくなってしまう人も多い中、ホタバンは一度立ち止まることができました。
 「自分がリスナーだったらどんな歌が聴きたいだろうか?」そんなことを常に考えながら、自身が伝えたいことをライフソングとして歌い続け、30代になりやっと理想に追いつき、30代半ばで結婚し子どもが生まれ、より現実味を帯びてきたとボーカルの藤田くんは言います。


 バンドとしての歩み方、藤田くん本人の人生の深みが加わり、第二章のホタバンは、着実に聴く人全ての心を揺さぶり、温め続けていると感じます。


 かつては全国各地でライブをしていましたが、今は柏で歌い続け、全国からこの街に歌を聴きにきてほしいそうです。「柏は素晴らしい街だから、僕らをきっかけに柏の魅力も知ってもらいたい」と。


  青春時代を柏で過ごした藤田くんにとって、当時ダブルデッキから見えた景色、あの日の夕日、風、匂いの全てがこの10年間の曲作りの核になっています。私たちがホタバンの曲を聴いてどこか懐かしさを感じるのは彼らの曲の核が青春時代の柏にあるからかもしれません。


 そんなホタバンが全国に一気に知られるようになったのが、昨年秋にNHKみんなの歌で放送された「金魚のジョン」です。この曲は知っているけど、ホタバンの歌とは知らなかったという方もいるでしょうか。
 これを機に、図らずも彼らの楽曲がに多くの人に知れ渡りました。「純粋に音楽を楽しむ、いま聴きたい曲を届ける」そういう思いで真摯に音楽に向かい続けていたからこそ、新たな転機が訪れたのだと思います。


 「より多くの人に歌を届けたいという夢がまたひとつ叶いました。それでもまだ練習をして上手くならなくては!」と藤田くんは言います。そして柏の街に歌で恩返しをしたい、柏から生まれたホタバンの曲を沢山の人に届けたい!そのひとつとして音楽の教科書に載ることが夢だそうです。


 柏の街が生んだホタバンの曲を、日本中の子どもたちが歌う日もそう遠くはないのかもしれませんね。

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