便利でお得な遊び予約サイト『アソビュー!』を運営するアソビュー株式会社代表取締役CEO 山野智久さん。
実は山野さんは大学時代、柏発フリーペーパー『En’s(エンズ)』を立ち上げ発行していた人だった。
大学時代の山野さんは、遊ぶのはもっぱら柏だったという。当時柏は千葉の原宿と呼ばれ、若い人たちが集まっていた。『裏カシ』と呼ばれるストリートに並ぶお店。いいお店はたくさんある。
この場所を知らない人たちにも、もっとお店があることを広めたい。街を盛り上げたい。
そんな思いが溢れ、ついに始めたフリーペーパーの編集、発行。一筋縄ではいかないこともあったが、山野さんの『街を盛り上げたい』という思いは大きく広がり、やがて誰もが幸せになれるかたちで返ってきた。
「今までになかった街歩きができました」、「フリーペーパーを持って、お客さんがきてくれたよ」
広告主と読者、どちらからもお礼を言われるようになったのだ。
やがてEn’sは30万部を発行するフリーペーパーとなり、スタッフが30人という大所帯となる。スタッフはみんな読者。「手伝いたい」と言ってきてくれた人たち。
人に恵まれ大きな成功体験をする大学時代をすごした。
大学卒業後、就職し営業第一線で活躍、そして退職。目標であった創業。
娯楽施設やレジャー体験を予約できるサイトを作ろうと最初から思っていたわけではない。
山野さんの軸になる『生み出したプロダクトで、たくさんの人の役に立ちたい』そんな気持ちがアソビュー!創業につながった。
そして創業10年。今やアソビュー!は会員数680万人、取引先数8000社、年間取扱高280億円のプラットフォームに成長。
山野さんが昨年出した著書「弱者の戦術」にもあるが、ここ数年はコロナ禍でのピンチをチャンスに変え「社員を1人もクビにしないでV字回復」を遂げている。
著書を拝読し、コロナ禍で功績をあげる勇者のような山野さんに、今後の展望を聞いてみた。
「いつかは柏に錦を、と思っている。僕はあの時、柏のフリーペーパーを作ることで育ててもらった。もっともっとグローバルで活躍できるようになって、いつか返したい」
言葉一つひとつに嘘がない。そんなトーンだった。
どんなに世界が広がっても、誰に対しても、誰にも公平で誠実。山野さんの言葉に流れるエネルギーにそれを感じた。