本家コガネムシを探してみよう!

わぴちゃんさんぽ
左が太陽光、右がフラッシュをたいて写したコガネムシ

 まもなく6月、いよいよ梅雨入りも間近です。

 草木は元気に生い茂り、昆虫をはじめとするさまざまな生きものたちの命の営みが繰り広げられています。今回はその中から、コガネムシの仲間を紹介したいと思います。


 コガネムシはコウチュウ目コガネムシ科に分類される昆虫の総称で、とても種類が多く、日本には350種ほどが生息しています。実は、カブトムシもコガネムシ科の昆虫です。そしてその代表種コガネムシ(以下、本家コガネムシ)は、ちょうど6~7月頃に成虫が現れます。

 本家コガネムシは体の表面がつやつやで、メタリックグリーンに輝きます。「黄金」と名づけられるだけあって、その輝きは他の緑色系のコガネムシ類の追随を許さない美しさです。それでいて身近な存在で、意識して探すと草むらや林の縁などいたるところで目にすることができます。

左上から時計回りにカナブン、コアオハナムグリ、ヒメコガネ、アオドウガネ


 ただ不思議なことに撮影時にフラッシュをたいてしまうと、コガネムシの輝きが途端に半減してしまいます。魅力的な写真を撮りたいと思ったら自然光のもとで、フラッシュを使わずに撮影することをおすすめします。


 散歩道では、本家コガネムシ以外にも多種多様なコガネムシの仲間に出会うことができます。その中でも抜群の知名度を誇るのがカナブンでしょうか。カナブンはカブトムシやクワガタムシなどとともに樹液レストランの常連さんです。体は茶色がかった緑色で、頭部が四角くよく目立つのが特徴です。

 また、花に頭を突っ込んで花粉を食べる「ハナムグリ」も、コガネムシの仲間です。中でもよく見かけるのはコアオハナムグリという種類。小ぶりで毛深く、白い斑点がチャームポイントです。ハルジオンやノイバラなど、さまざまな花でその姿を見ることができます。

左上から時計回りにマメコガネ、セマダラコガネ、クロコガネ、ビロウドコガネの一種


 それから最近かなり増えてきているのがアオドウガネです。もとは南方系の昆虫でしたが、温暖化が関係しているのか急速に分布を拡大してきています。本家コガネムシに似ているものの光沢は弱く、体はくすんだ緑色。お腹に毛が生えているのも特徴のひとつです。


 コガネムシの世界はとても奥が深く、興味を持つと散歩道レベルでもかなり楽しめます。ぜひ、コガネムシの仲間にも目を向けてみてはいかがでしょうか。


わぴちゃん(岩槻秀明)プロフィール

気象予報士。自然科学系のライターとして植物や気象など自然にまつわる書籍の制作に携わり、著書は20冊以上におよぶ。千葉県立関宿城博物館調査協力員、野田市史編さん委員会専門委員なども務める。宮城県生まれ野田市育ち。

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