Inspire to the Next-細谷真大

レイソルコラム

 11月7日、FW細谷真大選手が「2022 Jリーグベストヤングプレーヤー賞」を受賞した。プロ2年目の今季、チームの中心選手として定着していた細谷選手は33試合に出場し、14位タイの8ゴールを挙げていた。レイソルの選手としては2011年の酒井宏樹選手(浦和)と2017年の中山雄太選手(ハダースフィールド)に続く受賞者となった。

 普段は口数が多くない細谷選手だが、初の個人タイトルの喜びをこう表現した。

「この賞をいただけたことをうれしく思います。起用してくれた監督やコーチ、スタッフのみなさん、レイソルのチームメイトや応援してくれたサポーターにも感謝をしています。今の自分があるのは育成年代で指導してくれた方々との出会いがあってこそ。少しは恩返しすることができたかなと思います」

 2022シーズン開幕から快調に勝利を重ね、躍進したレイソルの中心に細谷選手はいた。パリ五輪を目指すU-21日本代表としての活躍も目覚ましく、今夏のE-1選手権ではA代表としてプレーするなど充実のシーズンを過ごしたが、自らを律するようにこう繰り返した。

「ただ、この賞はシーズン前半の結果があっての受賞だと思うので、後半も活躍したかった後悔はありますし、チームメイトには特に感謝しなくてはいけないですね」

 前述の酒井選手と中山選手も、受賞をきっかけに五輪や世界大会での活躍を経て現在のキャリアを切り拓いた。

「酒井選手も中山選手も、日本代表の主力選手ですから、もちろん、『自分も!』という思いはあります。先輩たちのようにW杯を目指して戦っていきたいです」

 また、レイソルからE-1選手権を経て日本代表へ定着し鮮烈なキャリアを構築した伊東純也選手(ランス)とも重なる部分がある。伊東選手とプレーする可能性については強く頷いてから「いいですね!」と顔をほころばせ、こう続けた。

「このW杯が終わると、日本代表も新チームへの世代交代があると思っているので、自分たちパリ五輪世代の選手が新しい日本代表の中心を担えるように、その中に自分がいられるように、これからもがんばります」

 自身の言葉にあるように年間を通して結果を残していたら、別の賞の可能性もあったと思わせるほどのインパクトを与えてくれた細谷選手の未来に期待したい。

(写真・文=神宮克典)