登山、それはほぼ半世紀近い私の人生にはなかったもの。
今回ひょんなことから登山することになりました。初心者にはどこがいい?筑波山?高尾山?いやいや、もっとハードルを下げてでお願いします。というわけで、奥多摩の「ふれあい森林浴緑道」という初心者向けのコースにしてもらいました。経験者2人には簡単すぎて申し訳ないかなと思いながら、いざ4人で奥多摩へ。
吊り橋をふたつ震えながら渡り終えたぐらいまでは良かった。その後も片方は崖だけどウッドチップが敷かれた幅のある道を往くのはとても楽しかった。虫を見たりきのこを見たり。すれ違う登山者と挨拶を交わし写真を撮りあったり。
しかしその後どうしたことか、目の前に現れた急勾配。崖、岩、木の根。え?これキン〇ダムで見たやつじゃない?山の民の領域?こんな岩を登るの?手袋って岩を掴むためのものだったの?!ふれあい森林浴コースだよね?!?
疑問が渦を巻いていたが進む以外ない。ひょいひょいと先を行くO先生に必死についていく。木の根をつかみ、石にへばりつきながら。
どうにかこうにかようやく辿り着いた愛宕神社。同じく初心者のNちゃんは無事に下山できますようにと声に出してお願いしている。私は何を拝んだか覚えていないし、景色を見る余裕もなかった。下山のことで頭がいっぱいだ。 今度は崖ではなく、10段程度の階段があったが、見たこともない角度で手すりもない。おばあちゃんちの急な階段がかわいく思えるぐらいだ。あまりに怖すぎてへっぴり腰で後ろ向きに降りた。
その後はまた崖っぷち。今度はNちゃんが先頭を行ってくれた。あとで聞いたら滑落してみんなを巻き込むことを心配したとのこと。えらい…私は正直自分の心配しかできていなかった。
崖を降りたあとに信じられないほど長くて急な下り階段が現れた。あとで調べたら180段以上あるらしい。今度は手すりがあったが、手すりがあればいいってもんじゃあないんだよってなるほどの角度である。
しがみつきながら一段一段降りている途中、1組の若いカップルが登ってきた。軽装かつ彼氏のほうは百貨店の紙袋を下げている!!!OH!MY!「この先ってどんな感じですか?」と聞かれ、これまでの道のりを口で説明するのは難しかったので、初めて会った人ではあるが「とりあえずその恰好で上行ったらやばいですよ」と進言させてもらった。
そんなこんなで無事に地上へ帰還。大きい道を走る車が見えてきたときは涙が出そうだった。膝はぐらぐらしている。
適当な広場を見つけ、レジャーシートを敷いて、O先生の絶品アウトドアご飯を頂いた。メスティンでつくるトマトパスタとチーズフォンデュ。野菜、ハム、チーズがたっぷり入ったホットサンドも絶品だった。
道具や食材も背負ってあの山を登っていたのか…。すごすぎる…。
食べている間、登山経験者である先生とSさんになぜこんな大変な思いをして何度も山に来るのか聞いた。ふたりは熱く思いを語ってくれた、が、ちょっとあんまりよくわからなかった。
帰り道、澤乃井 小沢酒造に立ち寄った。川沿いにある庭園で景色も雰囲気も最高!多くの人で賑わっていた。300円で日本酒が試飲出来て(おちょこもついてくる)おかわりはなんと200円!試飲したゆずのお酒が大変美味しかったので買って、日本酒も買って、温かい甘酒を飲み、みんなで労をねぎらった。
また山に登りたいかどうかは置いておいて、とても得難い経験でした!!!