たった5分、マインドフルネス瞑想してみませんか? 

自分のペースでだいじょうぶ

Q.私は、ほんの小さなことでも気になる性格で、不安や心配になり、また過去の失敗などで後悔したり、イライラの気持ちが出てきてしまいます。最近、マインドフルネスが心を整えるにはいいと聞きました。マインドフルネスとはどんなものなのでしょうか?(20代女性)

A.あなたは、「禅」をご存じですよね。この「禅」に似た東洋文化の瞑想を源流に持つものが、マインドフルネスです。マインドフルとは、「意識する」「こころにとどめて忘れない」などという意味があります。


 私たちは、過去の失敗や未来の不安といったネガティブなことほど、考えにとらわれる時間が長くなりがちです。つまり、自分で不安やストレスを増幅させてしまっているのです。こうした心ここにあらずの状態から抜けだし、心を過去でも未来でもなく〝今〟に向ける状態をマインドフルネスといいます。


 マインドフルネスをしていた著名人を挙げるとApple創業者のスティーブ・ジョブズ、マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ、メジャーリーグで活躍したイチローなどが知られています。マインドフルネスを実践することで、頭がすっきりして考えがまとまる、豊かな発想が生まれるなど仕事にも好循環を生みます。日本でも精神科治療を始め、グーグル、ヤフー、メルカリなど大手企業や自治体が取り入れ、社員に好評だということです。実際にマインドフルネスをすると、脳の活性化、抗体の増幅、免疫機能アップなど科学的にも実証されています。


 では、マインドフルネスのやり方です。まず、胡坐をかいて座っても寝そべってもいいので身体がリラックスした状態をつくります。そして、目を閉じて自分の呼吸を意識します。呼吸を大きく吸っている自分、呼吸をゆっくり吐いている自分、空気が鼻をとおり、肺が膨らんでいる自分。人に言われたことで落ち込んだ気持ちや先の不安などを考えるのではなく、「今、生きている自分」に意識を集中するのです。たった5分、頭と心のリセットには効果があり、慣れてくると10分、20分と自分が心地良いと思えるまでやってみるのがいいでしょう。環境音楽など流しながら、曲に集中するのもいいでしょう。


 また、食事瞑想として香り、色、味、歯ごたえなど目の前の料理を一心に味わうことや家事瞑想として、食器を丁寧に拭く、洗濯物を丁寧にたたむなど「整える」行為に集中するなど、自分なりのマインドフルネスを見つけてみるのもいいかもしれません。

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