東武アーバンパークライン新柏駅より徒歩10分。住宅地の道路沿いにあるのが荘厳佛具 松川だ。
代表の松川光伯平さんは、仏壇やお寺の金箔を施す箔押し師。福井県で明治元年から現在まで150年以上続く仏壇・仏具のお店に生まれ、幼いころより父親の仏具製作や修繕を見て育った。
高校卒業と同時に京都の金箔押しの専門学校へ進む。職人希望で入社した仏具の会社で10年間、営業に携わる。そこで様々なお寺周りをするうちに、仏壇やお寺の金箔の仕事の依頼を受けるようになる。30代で独立。その時の経験が、今の仕事に生きているそうだ。
仏壇には、主に「金仏壇」と「唐木仏壇」がある。金仏壇は、黒の漆塗りに金箔が張られた仏壇で、その名の通り極楽浄土を彷彿とさせる荘厳な雰囲気の仏壇だ。
現在は、中国をはじめベトナム、カンボジアで大量につくられる仏壇もあるが、松川さんが手掛ける仏壇は、職人の手仕事であり、漆塗りだけでその工程は40行程もある。時が過ぎていくにつれて、その良さと違いが深くわかる仏壇だ。
「仏壇仕舞いと言って家庭から仏壇をなくしてしまう流れもあります。けれど、仏壇の前で手を合わせご先祖さまに感謝の気持ちを表すおこないは、子どもたちに伝えたい日本のしきたりです」と松川さんは語る。
店内には仏壇の他、お線香やろうそくが並んでいる。アロマのブームで女性に人気なのが香りのお線香。貴重な香木を原料としたお線香を焚くだけでも気持ちが落ち着く。
家庭にある古くなった仏壇の洗濯(修復)も手掛けており、お客さんから喜ばれているそうだ。
(取材・文=高井さつき)