直腸がんに対するロボット手術

がん診療最前線

 以前、大腸がんに対する体にやさしい手術として「腹腔鏡手術」の話題を取り上げましたが、今回は「ロボット手術」についてお話させていただきます。

 大腸がんの中でもロボット手術の対象となるのは肛門に近い直腸がんの場合です。ロボット手術とはロボットが人間に代わって自動で手術を行うものではなく、外科医が「内視鏡手術用支援機器(手術支援ロボット)」という装置を使用することによって行う手術のことをいいます。

 ロボット手術では、腹部に開けた小さな孔から挿入された内視鏡カメラや鉗子などの手術器具を、数メートル離れた場所にあるコンソールと呼ばれる装置を通して操作することにより手術を行います。ロボット手術の特長として手術部位を高画質で自然な立体的映像として大きく拡大して見ながら手術を行えることがあげられます。鉗子と呼ばれる手術機器には複雑な関節機能が備わっており、人間の手のように自由自在に動かすことが可能です。

 また、人間の手で細かい操作を行おうとするとどうしても若干の震えが生じることがありますが、手術支援ロボットには震えを防止する機能が備わっているので、ミリ単位で正確に動かすことができます。直腸がん手術では狭い骨盤内の奥深い場所で正確な操作が要求され、従来の腹腔鏡手術では限界がありましたが、ロボット手術によって、より精密な手術が可能となりました。

 従来の手術と比較して、肛門温存率の上昇や、手術後の排尿・性機能の向上などが期待されています。
 以前は直腸がんのロボット手術は自費診療でしたが、2018年4月に健康保険が適応され、現在はロボット手術の基準を満たす病院では腹腔鏡手術と同額で治療を受けることができるようになっています。

新東京病院 副院長兼消化器外科主任部長  松本 寛 先生


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