がんにならないアルコールとの付き合い方

がん診療最前線
岡部寛先生

 新型コロナウイルスの影響で外で飲む機会が減ったという方も多いと思います。一方で、家で飲むことが多くなって飲酒量が増えてしまったという話も耳にしますが、飲酒量が過ぎると体調を崩しやすくなるだけでなく、長い目で見るとがんの発生につながるリスクがあります。

 日本人のがんの原因を調査した研究では、がん全体の5~9%は飲酒習慣が原因と推定されています。特に食道がん、口腔がん、咽頭がん、大腸がん、乳がんなどで飲酒と発がんの関連が指摘されています。アルコールは体内でアセトアルデヒドという発がん物質に変換されたのちに解毒されますが、お酒を飲むと顔が赤くなる人は解毒力が遺伝的に弱いので、より注意が必要です。

 お酒をたしなむ場合には、体質にかかわらず、❶量を控えること❷アルコール濃度を下げること❸野菜や果物をとることの3点に気を付けてください。

 アルコール量は1日当たり20㌘程度まで、目安は、ビールなら500ml、日本酒なら1合、ワインなら200ml程度までとし、週に何回かは飲まない日を作りましょう。ウイスキーなどの高濃度のアルコールは、直接口や食道の粘膜に接することでがんの発生リスクとなるので、なるべく水割りにしてください。野菜や果物にはイソチオシアネートやカロチンが含まれ、アルコールによる発がんリスクを下げてくれます

 アルコールの代謝を助ける豚肉、レバー、ピーナッツなどビタミンB1を多く含む食品と一緒につまみも工夫して体を守りましょう。

 少量のアルコールは目くじらを立てる必要はないと思いますが、いつまでも健康で楽しくお酒を飲めるよう、体をいたわることも忘れないようにしたいものです。

新東京病院 消化器がん腹腔鏡・ロボット手術センター長 岡部 寛 先生

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