富里市で40年以上農業を営む村田秀樹さん(59)は、地元愛あふれる人物。千葉ロッテマリーンズ富里後援会会長や、成田の花火を愛する会代表、年末には餅つきを開催し、近所の子どもたちに伝統文化を伝えたりと、地域活動にも積極的。
両親も農家だったことから、千葉県農業大学校を卒業後、家業を継承。大評判の甘太郎スイカや白菜をはじめ、ニンジンやトマトなど、様々な作物を栽培している。
そんな村田さんが新しいことに挑戦しようと考えたのは、しいたけ栽培の原木が7年の寿命を迎えた昨年の事。次の7年後、また寿命を迎えるのなら、何か新しい事を始めたいと仲間に相談したところ「烏骨鶏の卵はどうか。みんなで長生きしよう」という話になり、親戚からまずは育てやすいボリスブラウンという品種のひなを分けてもらい、養鶏を始めることにした。
最初は10羽のひなからスタートしたが、友人知人から烏骨鶏(うこっけい)や貴重な小国鶏(しょうこく)を贈られ、今では21坪の広々とした鶏舎で40羽の鶏をのびのびと平飼いする。餌は、市販の餌の他に米ぬかや牡蠣殻の他、村田さんの畑で採れた自慢の野菜の残菜。産み立て卵は汚れを拭き取るだけでパック詰めし、洗浄作業は行わない。卵の表面の乾燥を守るクチクラ層で包まれているため、産卵後1カ月は持つと言われている。毎日欠かさず行う餌やりと採卵は思っていた以上に大変で「旅行に行けなくなった」と苦言を言いつつ、どこかうれしそう。

「初めての卵が産まれた時には、感動して仏壇に供えた。日々、鶏たちの世話をする中で、野菜の世話とはまた違った自然の力強さや命の尊さを改めて感じている」。鶏たちは、村田さんにとって単なる家畜ではなく、大切な家族の一員になったようだ。平飼卵は「JA富里市農協産直センター1号館」で購入出来る。1パック300円(税込)。
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